ETC/ETCの基礎知識

新高速料金、“上限2000円”とは限らない!?

6月から高速道路料金が改定される。ETCの有無に関わらず、平日・休日、全ての時間帯で一律の上限料金を定める仕組みだが、果たして今後、ETCは必要なのか? 意外な落とし穴がありました。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

ETC
2010年6月からの新たな制度では、平日、休日関係なく、全ての時間帯で軽自動車、エコカー(燃費値が20km/L以上)ならば1000円、普通車であれば2000円が上限料金となる

6月から高速道路料金が改定される。テレビや新聞などの報道を見ると「ETC車に限って適用されていた休日1000円走り放題を止め、平日でもETCの付いていないクルマでも2000円を上限とする料金にする」と言われてます。このニュースを見て「もうETCは不要になるのね」と思った人も多いんじゃなかろうか。しかし! 現実を見ると、そう簡単にいかなそうな感じ。例によって政治家や役人は皆さんツメが甘い。使用する区間によってETCを必要とするのだった。

先日のこと。大きなイカを釣るべく和歌山県の南紀白浜に行った。この地域、高速道路が「南紀田辺」まで開通。今まで大阪から田辺まで4時間以上かかっていたのが、2時間半程度に短縮され近畿ナンバーのクルマで大賑わいになっている。さて。金沢西から南紀田辺まで高速道路で使うと、ETCを使えば当然の如く2000円。されど現金だと4500円らしい。途中の松原~吹田間が500円の均一料金制だからだ。したがって吹田から再度2000円の高速料金を払わなければならない。

ETC
例えば、東北道の宇都宮から中央道の甲府昭和まで行く場合、ETCがあるのとないのでは、高速料金に2倍近くの差が生じる

つまり南紀田辺~松原間2000円+松原~吹田500円+吹田~金沢西2000円の4500円取られてしまうワケ。領収書などを見せても割引など一切無いそうな。ホントかね、と国交省に確認してみたら「ダメです」。う~ん! じゃ東京もか? 中央道は調布~八王子間が600円の特定料金になっている。ETC車なら特定区間も高速料金に含まれるため、首都高から乗り入れても2000円。されどETC非装着車は2600円を取られてしまうのだった。

東北道の宇都宮から中央道の甲府昭和までETCを使って行く場合、東北道2000円+首都高900円の2900円。ETC無しだと東北道と中央道で2000円づつ。さらに特定区間の600円と首都高も加算され、5500円になってしまう。
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