ホンダの「グリーンマシーン1号」であるインサイト。発売当初は、200万を軽く切るその価格が話題となった |
走るとどうか? 当然ながら最も違うのは渋滞する道路での燃費だ。ハイブリッドのインサイトで私がいつも使っている都内のコースを走ると15km/L前後。同じコースを207で走ってみたら、普通のコンパクトカーと同レベルの11~12km/Lというイメージ。20%くらいインサイト優勢。
ただ流れの良い道だと207も頑張ってくれます。普通の5速マニュアルミッションを油圧で稼働させる「ロボタイズドAT」は、ややクセのある変速感なのだけれど(クルマが勝手にギアを替える。隣に乗っていると思えば気にならないですけど……)、燃費という点で頑張ってくれる。
流れの良い道(首都高)で計測してみたら、23.2km/Lを記録。こりゃ良過ぎるぞ、ということで実際の燃費に近い乗り方をしてみた。冷えている状態からスタートし、片道50km弱の距離にある入間のアウトレットまで往復したところ16.1km/L。インサイトの10%落ちといったイメージか?
未来的な印象を受けるコクピット。メーターの色で、エコドライブ具合を把握することができる |
207の魅力はクルマとしての質感の高さにある。エコカーの乗り心地って悪い。プリウスだとガタガタするし、インサイトも走り出してから止まるまでピョコピョコしてます。207に乗ると正当派の良いクルマである。エンジンフィールを含め、官能評価で高い点数を獲得。
実はインサイトを購入する際、207と激しく迷った。ヨメに聞くと「207がいい」。ただ私のアタマの中に居る環境の神様が「迷ったらエコ」とつぶやいてしまったのであります。私ほど環境問題に毒されていなければ207を選ぶのが正しいクルマ好きかもしれません。
撮影(インサイト):尾形和美・カーセンサー