和製“AMGパッケージ”
走りの楽しさを追求したバージョンSZは、専用チューニングを施したトランスミッション・サスペンションや、専用の高性能ブレーキ、19インチ鍛造アルミホイールなどを装備(写真はバージョンSZ・他の画像も同様) |
ベンツやBMWといったプレミアムカーが毎年改良されているのと同じように、レクサスも「毎年進化していかねばならぬ」というポリシーを持っているのだろう。あまり目立たないものの、どのモデルもかつての輸入車のイヤーモデル制のような年次改良を行っている。先日行われた「レクサスオールラインナップ試乗会」でマイナーチェンジされたLS460に試乗したので、「進化度」をチェックしてみた。
1台目に乗ったのは新たに追加された「バージョンSZ」。マイナーチェンジ前に設定されていたスポーツグレードの「バージョンS」をさらに走り志向に振ったもので、シフトダウン時のブリッピング機能を備えたパドルシフトや、専用サスペンション、ブレンボ製大容量ブレーキキャリパーなどを装備。ベンツで言えばオプションで用意される「AMGパッケージ」のような位置付けと思えばよかろう。
LS460、LS460Lは新色4色を追加し全10色、ハイブリッド仕様のLS600h、LS600hLは新色5色を追加し全11色を用意する |
乗るとどうか? 結論から言うと「ベンツやBMWに代表される輸入車から乗り換えても不満ありませんね」。初期型のLS460は旧世代のトヨタ車と同じく舗装状態の良い路面なら快適な乗り心地だったが、道路のつなぎ目や荒れた路面に差しかかると衝撃を吸収出来ず高級感を台無しにしていた。年々改良され良くなっていたものの、輸入車に及ばず。その乗り心地が納得出来るレベルまで改善されたのだ。
乗り心地の改善はKYBが開発した新構造のショックアブソーバーの効果が大きい。それ以外にも多くの変更を受けているのだろう。ハンドル操作に対する反応の正確さも大幅に向上。足回りの開発担当者によれば「200km/h以上のスピードを出し続けるアウトバーンでのテストでも落ち着きに欠けた初期型とは別のクルマのようにビシッと走れるようになりました」。