“ほぼ”認識できない変速ショック
ラグジュアリーセダンの快適性と、SUVの高い実用性を合わせ持つレクサスRX。価格はRX350が460~565万円、RX450hが570~650万円となる |
おそらくレクサスRXの関係者全員が「う~ん!」と思っていることだろう。このクルマを開発している間、忍び寄る景気低迷の足音は全く聞こえていなかったハズ。最終試作車が完成し「いよいよ量産だ!」というタイミングで100年に一度と言われる不況に出くわす。もはや何の対応も出来まい。
そんなことを考えつつ走り出すと「SUVと思えないくらい静かだし滑らかですね」。試乗後、開発担当者に聞いてみたら「徹底的に騒音対策を行いました」。平坦な道を制限速度で走っていると、遠くの方で「ふ~ん」とハミングしているエンジン音と、タイヤの「さ~っ」という音しか聞こえない。
2300rpmという低回転域から最高出力の回転数までの広い回転域で、最大トルクの90%以上を発生。あらゆる速度域でスムーズな加速が得られる |
驚くべきはATの変速ショック。6速タイプのトルコンAT(通常タイプのATです)を採用しているのだが、加速中、ギア変わったことを“ほぼ”認識出来ず。同乗者はオーディオのスイッチをオフとしていない限り、速度巡航に達するまで5回もシフトアップしていることに気づかないだろう。
かといって静かなだけじゃない。いざアクセル全開するや「クォーッ!」的な気持ち良い音を立てつつ轟然と加速。280馬力を発生する3.5リッターV6は、必要にして十分なパフォーマンスを確保している。いわゆる正統派の良いクルマに仕上がっているのだった。
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