ひと口にディーゼルといっても……
ここにきて燃費良く排気ガスもクリーンな“環境にやさしい”次世代ディーゼル車の発売を宣言するメーカーが続々出てきた。しかし皆さん「どんな規制内容なのか?」という点をキッチリ理解できてないようである。そこで日・米・欧において施行されるディーゼル車の排ガス規制を分析してみたい。ちなみに「規制が緩い」から紹介しよう。
登場する数値のうち「NOx」は窒素酸化物。光化学スモッグやゼンソクなどの要因になる。「PM」が黒煙に代表される微粒子で、ディーゼル特有のキツい臭いの原因。少なければ少ないほどクリーン。
●ヨーロッパ/ユーロ4
先日発表されたレガシィ・ディーゼルはヨーロッパの規制をクリア |
現在ヨーロッパで施行されている排ガス規制。ヨーロッパ市場向けの日本車もこの規制をクリアしている。日本はディーゼル技術が後れていると考えてるいるヒトも少なくないようだけれど、そんなことありません。ユーロ4に対応したモデルなら排ガスはほぼ無臭で、黒煙も目視できないくらいクリーン。
NOx/0.25
PM/0.025
●日本/平成17年規制(新長期規制とも呼ばれる)
街でよくみかけるハイエースも、新型は厳しい規制をクリアしている |
昨年から施行されており、現在日本で販売されているディーゼル車がクリアしなくてはならない排ガス規制。意外なことに現時点で施行されているディーゼル車の排ガス規制で世界一厳しい。大型トラック&バスだけでなく、ハイエースやキャラバンといった商用車や小型のトラックも、この規制に適合している。
メルセデスベンツE320CDIは、平成17年規制レベル |
乗用車は国交省の指導により「ポスト新長期」と呼ばれる後述の次世代規制をクリアしていないと認可されない。ちなみにベンツE320CDIの排ガスは平成17年規制。本来なら日本での販売は不可能なのだが「輸入車特例」なる恩恵を受け、商用車やトラックと同じ規制で良いとされている。相変わらず輸入車に甘い。
NOx/0.15
PM/0.014
●ヨーロッパ/ユーロ5
日本の新長期規制よりPM値(排気ガス中の微粒子)が厳しく、一段と高い性能を持つ集塵フィルターを必要とする。ユーロ5は当初ガソリン車と同レベルの厳しい内容になる予定だったものの、規制値を決める段階でヨーロッパのメーカーから「不可能」との声が続出。大幅コスト高にもなるため、以下の数値に落ち着いた。
NOx/0.18
PM/0.005
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