目指したのは「楽しいクルマ」
全長×全幅×全高4660×1815×1415mm。ISに5リッターユニットを押し込んだハイパフォーマンスマシン。766万円 |
ベンツに「AMG」。BMWは「M」というスペシャルモデルが存在する。市販車だと6気筒エンジンが上限のCクラスや3シリーズに、巨大なV8エンジンを載せてしまうなど過激なチューニングをすることでも有名。
ベンツやBMWを目差すレクサスも、立ち上げ当初から「ライバルのようなスポーツモデルも作りたい」という思いもあったようだ。その第1弾としてリリースされたのがV6エンジンを積むISに、LS用の5リッターV8エンジンを押し込んだ「IS-F」である。
IS-Fの開発コンセプトとして掲げられたのは「とにかく楽しいクルマにしたい」ということだったという。開発責任者の矢口さん(過去に開発ドライバーも経験)がチームに与えたリクエストは「私が富士スピードウェイを10周飽きずに楽しめるクルマを作って欲しい!」。正直なところ今までのトヨタのスポーツモデルで「降りたくなくなるくらい楽しい」というクルマなど皆無。その成果は果たして?
左右4本出しの迫力あるマフラーエンドが特徴的。前後異径の19インチタイヤを履く |
まずスタイリングから。見た瞬間「なんだか迫力ありますね!」と感じる方も多いのではないだろうか。大きな穴の開いたバンパー、左右に広がったうえ、排熱用のダクトまで備えるフェンダー、そしてイメージカラーとなるブルーメタリックのボディカラーなど、いずれも普通のISと違う雰囲気。
排気音もインパクト大。アイドリング状態では他のレクサスと同じくエンジンがかかっているか分からないくらい静か。けれどレーシング(空吹かし)をすると、驚くほど歯切れのいい回り方で、音も気持ちいい。アクセルをふかしているだけで楽しめるというトヨタ車、今までにありませんでした。
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