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これからのクルマは「さりげなく」エコ

海外セレブが乗ったことで、一躍「エコカッコいい」クルマの代名詞となったプリウス。だが最近では、見た目は普通のクルマと変わらないけれど中身がスゴイ「さりげないエコカー」が増えてきているのだ。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

日産の反撃がはじまる

プリウス
エコカーの代名詞、プリウス。ハイブリッド技術が世界にもたらした衝撃ははかり知れない
今や「ECOカー」と言えばハイブリッドの代名詞になってしまった。しかしヨーロッパでは、地球温暖化ガスである二酸化炭素の排出量が少ないディーゼルも高く評価されており、今や乗用車の半分以上を占める。こう書くと「ディーゼルエンジンの排気ガスは汚いため日本だと受け入れられないんじゃないか?」と思う方も多いことだろう。

実際、日本の排気ガス基準は世界一厳しく、現在乗用車として新車登録できる国産ディーゼル車は皆無。ベンツのみ輸入車の特例を使い乗用車を販売しているのみ。そんな状況の中、突如日産が「来年から日本の新しい排気ガス基準をパスしたディーゼル乗用車を2008年の秋に発売する」と発表したのだ。

新しい排気ガス基準とは「ポスト新長期規制」と呼ばれるもの。完全にガソリンエンジンと同等のクリーン度が要求されており、パスすれば「ガソリンエンジンより20~30%燃費がよい」(当然二酸化炭素の排出量も少ない)というディーゼルのメリットをフルに享受出来る。

エクストレイル
2008年秋からエクストレイルに、新排ガス基準をパスしたディーゼルエンジンが搭載される
自動車業界では「本当か?」と半信半疑になるほどハードルの高い技術だったこともあり、激震を与えた。取材してみたら「2008年秋からエクストレイルに搭載して発売します」。それだけではない。同時に「都市部の大気と同じレベルの排気ガスしか出さない超クリーンディーゼル」の技術を発表したから驚く。

このディーゼル、排気ガスの臭さの主因になっている「HC」(燃え残りの炭素)で言えば、人間の鼻が感じる6ppm程度を大幅に下回る0~1ppmしか出さない。参考までに書いておくと、現在のガソリンエンジンのHC基準は2リッター車で人間の感度の10倍程度というイメージ。もちろん黒いススや、窒素酸化物(NOx)も大気レベル。

大気が臭うような汚染の激しい地域なら、空気清浄機になってくれるのだから驚く。ちなみに現在☆4つのステッカー(規制値の25%以下の排気ガスしか出さない、という意味)を貼っているガソリン車は、暖機運転が終了した時点で大気レベルの排気ガスしか出していない。皆さんのイメージより自動車排ガスのクリーン化は進んでいるのだ。

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