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カー・オブ・ザ・イヤーの裏事情

年末恒例の日本カー・オブ・ザ・イヤー。今年はレクサスLS460が受賞した。「トヨタの圧力じゃないの?」なんて思う人もいるようだが、選考委員でもあるガイドが実際のところをお伝えしよう。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

COTY授賞式の様子
11月18日に東京・丸ビルで行われた表彰式の様子。2006-2007日本カー・オブ・ザ・イヤーはレクサスLS460が受賞した


トヨタの影響力は関係ない!?

自動車業界恒例のイベントと言えば、日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下COTYと略)である。クルマの売れ行きに影響するかどうかは不明ながら、やはり受賞したメーカーの開発関係者からしてみれば努力が結果になったということ(写真を御覧頂ければ解ることだろう)。受賞したクルマを買ったユーザーからしても、日頃ウルサイことばかり言う専門家達(選考委員は63人)がお墨付きを与えたのだ。悪い気持ちはしないと思います。

すでに御存知の方も多いだろうけれど、今年のCOTYは圧倒的な得点でレクサスLS460が受賞した。トヨタにとって1999年のヴィッツ兄弟以来7年ぶり。トヨタというメーカー、自動車メディアに圧倒的な影響力&支配力を与えているようなイメージを持つけれど、案外そうでもなかったりする。間違った内容じゃない限り、悪口書いても圧力など掛けてこない。実際、トヨタだって毎年COTYを取るべく頑張っているものの、なかなか取れません。
レクサスLS460とスタッフ
満点をつけた選考委員が38名もいたという、文句なしのCOTY受賞。高額モデルながら、その技術力の高さが評価されたようだ



LSは文句なしの受賞

ちなみにLS460のような高額車は、日本に限らずヨーロッパやアメリカのCOTYも受賞し難い。日本の場合、初代セルシオが受賞したものの、27年の歴史で高額車は1回のみ。世界的に評価されている高額車の多いヨーロッパでさえ、邦貨換算で500万円以上のモデルの受賞例は極めて少ない。しかしLS460くらい惜しげもなく先端の技術を投入されてしまうとそんな向かい風など吹き飛ばしてしまうということなのだろう。

実際、LS460に採用された前方監視用レーダー等の安全装備や、ボタン一つで全速度前車追随速度コントロール機能に代表される自動運転システムを育てていけば、近い将来、交通事故を激減させられる可能性を持つ。この分野では技術力を売りにするドイツ勢さえ追いつけない状態。得点516点。満点の10点を付けた選考委員も38人と(総勢63人)、文句なしの内容である。


次ページでは、特別賞の受賞車を紹介。
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