インテリアはチープな印象。だが、その質感のなさには理由が…… |
新生トヨタの面目躍如
試乗後に開発を担当したエンジニアから話を聞くと、足回りに使われているベアリングなどもカローラより2ランクくらい大きいとのこと。サスペンションのアーム類や、車体構造そのものはカローラというよりエスティマに近いそうな。ヨーロッパの高速道路を全開走行したり、ベルジアンロード(石畳)に代表される荒れた道を高い速度で走ると、オーリスくらいの強度が必要なのだろう。私のように気難しいクルマ好きでさえ「良いクルマだなぁ!」と思えるのだから凄い。
安く感じるインテリアのことも聞くと「1台分の予算は上限があります。見えない部分にお金を掛け過ぎてしまった、ということです」。この話を聞いて驚く。今までのトヨタなら絶対そんなことしない。見えない部分のコストは下げてでも豪華に見せようとするメーカーだったからだ。
最近のトヨタは本当に変わった。本物志向になった、と言い換えてもいい。けれど残念なことに、ユーザーが追いついてこないだろう。おそらくオーリスの本当の価値を理解してくれる人は多くないかと。
参考までに書いておくと、ヨーロッパ仕様のオーリス(カローラ)は上質のインテリアを持ち、ベンツE320CDIよりクリーンな排気ガスのディーゼルエンジンを積んだモデルもあるそうな。ぜひとも試乗してみたい。きっとクルマ通もウナると思う。