LEXUS(レクサス)/LEXUSの車種情報・試乗レビュー

レクサスLSはベンツやBMWを超えた?!(2ページ目)

実質的にセルシオの後継モデルとなる『レクサスLS460』の国際試乗会がオーストリアで行われた。早速レポートをお届けしたい。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

セルシオよりも150万円高くても納得できる

ザルツブルグ周辺の一般道や、国境越えドイツのアウトバーンまでトータル300kmくらい走ってみたが、私が持っている現行セルシオを2ランクくらい速くして滑らかにして静かにしたようなクルマだった。実質的な価格はセルシオより150万円くらい高くなるようだけれど、十分納得できます。

ベンツSクラスやBMW7シリーズと比べた時の弱点を強いて挙げるとすれば、超高速域で微少なハンドル操作をした時の手応えと、道路の継ぎ目など大きめの入力受けた時の乗り心地、そして微妙な踏力を掛けた時の制動感の三つ。いずれもダンパーとブレーキの寿命をライバル達より2~3倍長く取ったための副作用だと思う。長持ちさせようとすると、どうしても”渋く”なるのだ。

そんなことはトヨタの開発者も解っていることだろう。レクサスLS460程度のレベルに仕上がっていれば、ユーザーが寿命の長さを評価してくれると判断したんだと思う。技術力の問題じゃありません。私はLS460の価格帯になれば「寿命より味」を優先すべきだと考えるのだが‥‥。以上三つを除くと、ベンツとBMWに全く負けていない。むしろ勝っていると思う。

もしかすると「個性が無い」とか「飛び抜けてよい部分が無い」といった評価をするジャーナリストもいるだろうけれど、このクラスの完成度になるとディナーで5万円以上するレストランの料理みたいなもの。

つまり「素晴らしく美味しい料理」というのは存在するが、「昇天してしまうような料理」など無い。飛行機のファーストクラスは水平になって寝られるなど豪華だけれど「もっと快適に!」と言われたら打つ手無し。物理的な”凄さ”には限度があるワケ。

じゃお金持ちの皆さんって何を基準に選ぶかというと、ブランドイメージや付加価値だたりする。ロレックスに負けない性能の時計を日本のメーカーが作り、同じ価格で発売したのと同じ。果たしてどちらを選ぶだろうか? トヨタがどういう方法でブランドを構築していくのか注目したい。
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