色華火が大人女(おとめ)を酔わす--。

 

2008年春夏・東京コレクションは色の競演と、アダルトシックな装いがランウェイを圧倒し、今の東コレパワーを見せ付けました。東コレブランドが回を重ねるごとにきらめきを増しているのは、以前の記事「2007-08秋冬・東京コレクション」でもご紹介した通り。大手百貨店や有力セレクトショップでも東コレブランドの取り扱いを増やすところが多く、インポート物にとって代わるほどの勢いです。
実際に売れる・着られる服をきちんと見極めて提案している点で、東コレブランドはリアルクローズ志向のNYブランドと通じるところがあります。この先、世界にはばたく可能性も十分。今からチェックしておく価値大です。今回も最新の東コレから、次シーズンのトレンドをわかりやすく解説していきます!

【CONTENTS】
  • Page 1:◆アートフルでエレガンス◆内なる強さとセクシー





アートフルでエレガンス

カラーパレットのような色×色をエレガントに着こなす

■DRESSCAMP(ドレスキャンプ)
デザイナー 岩谷俊和(いわや・としかず)

ドレスキャンプ ドレスキャンプ
テーマはアフリカの国「モロッコ」。中東や中央アジアの民族衣装カフタンを思わせる、クチュール風のエレガントなジャケット。魚の鱗のような表面加工を施したスカートは動いたときに色の表情が出エキゾチック。ピンク、グリーン、イエロー、ブルー、パープルなど何色もの強めの色を組み合わせた「カラーonカラー」は次の春夏に真っ先に取り入れてほしい世界的な新トレンドです。 砂漠・灼熱・砂ぼこりをイメージさせる、乾いた土のようなベージュ色のショートジャケットで勝負アリ。ケープ風のクラシカルなシルエット。プリーツ加工されたフリルが精緻なテクニックを魅せる。南国フルーツを思わせるワンピースは新フォルム。砂時計(アワーグラス)ライクなフィット&フレアなシルエットは要注目して欲しい。


■YLANG YLANG(イランイラン)
デザイナー 青柳龍之亮(あおやぎ・りゅうのすけ)

イランイラン イランイラン
テーマは「シュルレアリスム」=超現実主義。主に1920~30年代の芸術家たちからインスパイアされているという。ヒップにボリュームを出すバッスル風にウエスト部分を強調したクラシカルなドレス。異界と行き来するかのような超常の錯覚を誘うアートフルなフォルムドレスが得意な「YLANG YLANG」ならではの新たなチャレンジに拍手。 ケープ風シルエットがフェミニンなワンショルダーのブラウス。鮮やかな色×色の合わせが映える。ハイウエストの膝丈クラシカルなタイトスカートは今シーズンのマスト。大胆なグラフィック調の白×黒がネオクラシックな印象。コンサバになりがちなエレガントなブラウスとスカートの組み合わせを、大胆な色と柄の掛け合わせでアバンギャルドに組み換えてみせた。


内なる強さとセクシー

内側からジワジワと主張する「美」をまとう

■SOMARTA(ソマルタ)
デザイナー 廣川玉枝(ひろかわ・たまえ)

ソマルタ ソマルタ
テーマは「イングレイバー」=彫刻者。タトゥーを彫って、心や記憶に焼き付ける古代アフリカの儀式がイメージソース。ニットを最も得意とするデザイナーが魅せるニットのレイヤード技が、内なる美を放出する。透けるレースのように編んだニットワンピースにボレロを重ねた。ゴールドのパーツで埋め尽くされたボレロが煌めく。ニットがたどり着いた至高のエレガンス 「肌は第2の衣服」というデザイナーの思いが、一貫してテーマになっています。全身タトゥーのように見えるのは、「スキンシリーズ」という全身タイツのボディスーツ。無縫製(ホールガーメント)のニットです。ワンピースのインナーにこのようなレーシーなインナーやタイツを合わせるだけでセクシーで妖艶な雰囲気を演出できるので参考に!


■matohu(マトフ)
デザイナー 堀畑裕之(ほりはた・ひろゆき)
関口真希子(せきぐち・まきこ)

マトフ マトフ
テーマは「志野」。桃山時代に日本が大陸からの影響を抜け出して、独自の美意識で作り出した陶器「志野焼」です。白い釉薬(うわぐすり)で知られる「志野」の持つやさしさと強さ、そして窯の中で偶然生まれるゆがんだ形などから想像力を広げ、服で表現しています。着物カシュクール風の身頃に、スポーティーなリブ素材袖を持つジャケット、袴風スカートとの合わせは、南蛮とのミックスカルチャー期に和魂を守り抜こうとするかのような凛とした美しさを放ちます。 「matohu」の看板アイテムとも言える、着物感覚で着る「長着」。和でも洋でもない新しい位相の服として提案しています。志野特有の色合いがやわらく人体に寄り添う。ワンピース、コート風など、好きなようにアレンジして着ることができる懐の深い造りで、結末は着る者の構想力に委ねられている。ベルトでマークし、レギンスで合わせても新しいスタイルになりそう。裾に向かってねじれていくレギンスも遊びが深い。


次のページでは、引き続き人気のあるボリュームシルエットと対極の細長シルエットをお見せします!