流行色情報が発信される仕組み
インターカラー(国際流行色委員会 : INTERNATIONAL STUDY COMMISSION FOR COLOR) 1963年に発足した、国際間で流行色を選定する世界でただひとつの機関。2009年9月現在世界の14カ国が加盟しています。 |
2年先のトレンドカラーを選定する唯一の国際組織として、「インターカラー」が知られています。現在14カ国から、各国を代表する公的な色彩団体が加盟して会議を開いており、今年は日本で初めて開催されることになっています。流行色情報が生まれ、発信されるインターカラーの仕組みについて、ご説明いただけますか?
大野さん
インターカラーは世界でもっと早い時期、実シーズンの2年前という時期に、世界の14カ国が集まり、トレンドカラーの選定会議を行います。そこでは各国が提案色のプレゼンテーションを行い、それらの共通項を探りながら、インターカラーという情報にまとめあげます。
加盟については、各国を代表する公的な団体に限られており、例えばフランスは、フランス色彩協会、イギリスはブリティッシュテキスタイルグループ、ドイツはドイツモード協会、中国は流行色協会。といったように、カラー専門か、またはファッション、テキスタイル関連の団体が中心になります。
そもそも提案色を考えるよりどころは、そのシーズンの生活者がどのような気持ちでいるのか、どのような色がその時代の生活者にフィットするかということになります。そのため、時代のトレンドであるとか、また現状のカラー動向を把握するために、市場調査の結果も参考にしています。
インターカラーで決定した情報をもとに、実シーズンの1年半前に、当協会の専門委員によって色選定会議委員会が開催され、そこで国内市場に向けたトレンドカラーである 「JAFCAカラー」が選定され、会員に向けて発表されます。専門委員は実際に企業や業界の中で色彩を専門に担当されている方(メーカーの企画担当、マー ケティング担当、デザイナー、バイヤーなど)に、委嘱しています。
そして当協会のカラー情報を受け取ったメーカーが、それぞれに自分の作るものにあった色を選んで商品に使用し、店頭に並べられ消費者の手元に 届くことになります。商品の作り手の方は、JAFCAの選定したカラーの意図や傾向をくみ取りながら、実際に商品化しますので、トレンドカラーをアレンジ して様々に表現されたものとして、店頭に登場します。
⇒⇒引き続き、東京から発信される、2011年秋冬トレンドカラー情報について、お話をお伺いします!