自分を演出するためのカラーコーディネート
ロケ地はニュージーランド、クライストチャーチの住宅街。アートディレクターによる、草花のコーディネートが背景を彩る。【花王・ニュービーズCM・母と娘シリーズ】のワンシーン 母親役:佐藤弘美、娘役:今莉花子 |
松本:
写真や映像を通して見る色と、実際の色は同じではありません。撮影する機種によっても異なります。映像や写真映りをよくするためのカラーコーディネートについて、何かアドバイスをお願いできないでしょうか?
吉田さん:
「爽やかさ」を狙った写真映りという点で言うと、強い原色を複数同居させない方がいいかもしれません。お互いの色彩が影響しあって、写真として色が濁るように見えることがあります。ジャケットに鮮やかなマリンブルーを使ったら、シャツとパンツは白か明るいグレーにするとか。赤いシャツを着たかったら、ジャケットとパンツはベージュ系にするとか。「爽やかさ」を演出する上でのタブーは、補色を組み合わせること。赤色のシャツに緑色のジャケット、青色のジャケットに黄色のシャツ、これが補色関係なのですが、これは避けたほうがいいと思います。
松本:
CMディレクターのご経験から、自分自身を演出するためのカラーコーディネートについて、読者の皆さんに、アドバイスをお願いします。
吉田さん:
自分を主役にしてストーリーを作ってみるんです。カメラアングルは一緒に出かける相手の目線。自分がどんな気分でどんな所に着ていくのかイメージしてみましょう。そうするとアイデアが出てくると思います。出かける街の色合いはベージュ系がベースだからビビットなブルーにしよう。レストランで出されるワインの色にもマッチしそうだしとかね。
自分の肌の色合いを中心に考えることも大事です。その日、相手にアピールしたい気分であれば自分の顔や肌を明るく見せるために、やや引き締まった色の服をベースにまとめた方がいいですね。基調になる色を絞り込むことも大事です。そして強い色を入れるときはワンポイントにする。
いろんな色があるから人生は楽しい。音楽もいっしょで色んな音色があるからありとあらゆる感性の作品が作り上げられる。一つの音色でリズムだけで何か作ってと言われても困りますよね。それでも迷うこともあると思いますが、あるときは今日は○○な気分だから独断でうぐいす色!にしよう、と強引に決めてもいいと思います。どんな時も色彩を楽しんで選ぶことが大事ですね。日常生活というドラマの中で主役は常に「ワタシ」なんですから。
【プロフィール】
吉田博則さん
映像ディレクター。
1978年、九州芸術工科大学画像設計学科卒業後(株)東北新社CM企画演出部入社。1987年、独立してフリーランスとなる。
1988年、吉田博則事務所設立。
1994年、日本通運・ユーロネットワーク・けんか篇(ACC賞受賞)。
1999年から2007年、花王・ニュービーズ母と娘シリーズ。
1989年から2007年、大正製薬・リポビタンDファイト一発シリーズ。
2004年、ショートフイルム子供が危ないカンボジア篇「道をそれてはいけないよ」を有志と自主制作。
【LA国際ショートフイルムフェスティバル2004】入賞。
【EARTH VISION 第14回地球環境映像祭】入賞。
2007年、福岡に新事務所設立、現在に至る。
連絡先:zzzhzzzh@gmail.com
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