背景の色を決めるアートディレクション
白い犬に追い越され気をとられて、たくさんのレモンをグリーンの芝の上にまき散らしてしまう。【花王・ニュービーズCM・母と娘シリーズ】のワンシーン |
松本:「花王・ニュービーズ」のCMは、背景の草花の色も重要な役割を担っていると思いますが、どのような指示をなさったのでしょうか?
吉田さん:
この母と娘シリーズの撮影は全てニュージーランドのクライストチャーチの住宅街で行われました。クライアントの担当者、制作プロダクションのプロデューサーとマネージャー、ディレクターの私以外のスタッフは全員ニュージーランド人です。そこで意思疎通が特に重要になります。まず、私たちのイメージに近い庭の写真(特に洋書写真集ガーデニング関連)を探します。また、草花の形状や色合いの要素も参考写真を用意します。それをもとにアートディレクターと打ち合わせをして、具体的な造園の方法、花の種類を決めていきます。クライストチャーチは、イギリス伝統エッセンスたっぷりの都市で、ガーデニングがとても盛んな都市の一つです。個人の庭を対象にガーデニングコンテストが開催され庭の美しさを競います。このような背景があるので、このロケ地が選ばれた訳ですが、地元のアートディレクターは撮影の時期に合わせた草花の選定にとても詳しいですね。
松本:
色とりどりの花が咲き乱れるグリーンを背景に、パッケージカラーの赤、青、白。CMは、シーンごとのカラーコーディネートに加えて、連続した時間の流れの中で、カラーコーディネートを統括することが重要ですね。
引き続き、CMの中の”ハプニングカラー”について、お話を伺いました。
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