CM制作におけるカラーディレクション
主人公の少女が着る、赤と白のストライプのTシャツ、ブルーのバンダナは、商品のパッケージの赤、青、白のトリコロールカラーを連想させる。【花王・ニュービーズCM・母と娘シリーズ】のワンシーン |
松本:
CM制作の一連の流れの中で、どのように色を決めていくのでしょうか?
吉田さん:
どんな人にその商品を使って欲しいかって大事ですよね。商品のコンセプトから商品を利用するであろう生活者像を作り出します。日常の中でどのような状況でどんな気分で商品を使うのか、生活者プロファイリングですね。その時に色彩がとても重要な要素になります。商品が開発されて広告の方針が決まったときに、すでに全体のトーン&マナーが決まっていることもありますが、一般的にはCMディレクターが方向性を出し、衣装を準備する役割のスタイリストが具体的に衣装プランを作り、代理店とクライアントがそのプランの善し悪しを判断します。この色彩設計が多くの生活者の意識を代表しているのか、そこがポイントです。チェックは関係者全員ですることになります。
松本:
なるほど、まさにプロジェクトですね。プロジェクト全体の中で、CMディレクターが、色彩についても大きな役割をもつようですね。
吉田さん:
みんなの意思を代表しているってことですね。もちろん衣装に関してCMディレクターとスタイリストは一番大きな責任がありますが、制作プロダクションのプロデューサー、制作進行、カメラマン、ライトマン、ヘアメイク、出演タレント、代理店のクリエイティブスタッフ、営業スタッフ、クライアントのクリエイティブスタッフ、事業部関係者、販売部門関係者など、あらゆる関係者が納得してくれる色彩にしなくてはいけません。
引き続き、商品の色と登場人物のファッションの色の関係について、お話を伺いました。
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