今回は空間設計の色について、上海インフィクスでお話を伺いました! 上海セレブに人気のクラブ『block60』の店内 |
『clio blue(六本木ヒルズ店)』、『LETTRE D'AMOUR(港区白金台)』、『G.B.Gafas(大阪梅田)』…、間宮吉彦さんが代表を務める『デザインオフィス・インフィクス』のことを知らなくても、彼らが設計した店舗を訪れたことのある方は、かなりのパーセンテージを占めるのではないでしょうか。
ショッピングをしたり、カフェでくつろいだり、お食事を楽しむ時間は、居心地のよい空間で過ごしたいもの。的確に時代感覚を捉えた空間設計に定評のある『デザインオフィス・インフィクス』は、2003年秋、高度成長期の中国を象徴するコスモポリタンシティ上海に進出しました。
今回は、『上海インフィクス(上海英菲柯斯設計諮詢有限公司)』の小川さんと藤田さん、上海インフィクスが設計した『DINNING
BAR 仁清(NINSEI)』のオーナー姫野さんと料理長の福田さんにお話を伺いました。
CONTENTS
Page1:素材のコーディネートが創る、空間の色
Page2:素材の色を魅せる”光”、そして”暗さ”の演出
Page3:Coming Soon!! 上海の夜景を独り占めするサロンバー
素材のコーディネートが創る、空間の色
蘇州の古い建物に使われていた木材をブロック状にカットして、ランダムに積み上げた壁面 『DINNING BAR 仁清(NINSEI)』2Fの個室へ向かう廊下 |
―――インフィクスのデザインの特徴を表現するキーワードのひとつに”居心地のよい空間”があげらると思います。空間を構成する色、素材についてこだわりをお話いただけますか?また、上海ならではの特徴があれば教えてください。
小川:
”落ちつく”という感覚は、日本人も外国人もあまり違いはなく、木や土のような自然な色が好まれます。上海で見る店舗は、壁などを塗装で済ませることが多いですが、”本物”にこだわりたいので、『DINNING
BAR 仁清(NINSEI)』dでは、木、土、石など素材の色や持ち味を生かした設計を試みました。
上海で調達できる素材は限られていますが、木や石の装飾は伝統があり、職人の数も多いので、伝統的な要素もデザインに取り入れています。また、上海には規模の大きな建材市場や布市場があるので、日本には無い素材や椅子の張り地を探したこともあります。
―――上海の書店に立ち寄ったら、ファッション誌だけでなく、建築、インテリアなどの雑誌も種類が豊富でした。インテリアへの関心は高いのでしょうか。
藤田:
上海の住宅はスケルトン(躯体)で引き渡されるので、住宅のインテリアへの関心が高まってきているように、今後、店舗内装に対する考えも更に発展していくと思います。また、風水は根強い人気があり、風水の専門家によるセミナーもよく開催されています。ご自宅の壁を風水のラッキーカラーに塗装する方も多いようです。
―――中国を象徴する色といえば、”赤”。実際に上海の街を歩いてみると、”赤”や”ゴールド”といったインパクトのある色が目をひきます。空間設計においても、”赤”や”ゴールド”の人気は高いのでしょうか。
小川:
上海は、日本の高度成長期の数倍のスピードで”時代性”が変化しています。1300万人を超える人口を持つ上海は、外国人も多いし、上海の人々のライフスタイルも様々です。年配の方は伝統的なものを好みますが、若い人はかつての日本と同様に、シンプルでベーシックなものを好むようです。