名古屋の観光・旅行/名古屋 自腹メシ

大甚 本店 名古屋自腹メシ第11回(2ページ目)

居酒屋評論家が「日本一の居酒屋!」と太鼓判を押す「大甚 本店」。創業何と100余年の名古屋屈指の老舗は、昭和どころか明治・大正からの空気が染み込んでいる。ズラリ並ぶ惣菜に、大テーブルで相席し合う常連たち。酒呑みでよかった!と思える至福の1軒だ。

大竹 敏之

執筆者:大竹 敏之

名古屋ガイド

創業100余年の超・老舗は、夕方4時から常連でいっぱい

100年の貫禄十分のいかにも渋~い店構え

100年の貫禄十分のいかにも渋~い店構え

「大甚」は何と明治40年創業の101歳! 一世紀やってる飲み屋があるというのがまず驚きです。場所は名古屋駅から地下鉄で一区間、オフィス街・伏見の大通り沿いで、地下鉄7番出口を出るとすぐの場所にあります。黒っぽい木彫り文字の看板が目印ですが、店構えは意外と目立たないのでご注意を。

「大甚」の魅力のひとつが、夕方4時から開けていると。それでも待ちきれないお客さんが開店前から店に入って料理ができあがるのを待っているほど。事実、筆者は4時きっかりにお店に着いたのに、席はもう半分くらい埋まっていました。

早い時間帯のお客さんは、大半が常連のオジ様方で、ネクタイを締めたサラリーマンの皆さんもどう考えても終業時間前ですが堂々とお酒を飲んでいます。この風景だけで、何かとっても大らかな気分になってくるじゃありませんか! ある飲んべの文筆家が「昼間っから飲める店があるかないかで町の民度が分かる。そういう店がない町なんてロクなもんじゃない」と語っていたのですが、名古屋の民度は「大甚」で保たれているのです(!?)。
店内は常ににぎやかでご主人の「いらっしゃいませ~ッ!」「ありがとうございました~ッ!」の元気な声が終始響き渡る。2階も、1階奥には座敷もあり

店内は常ににぎやかでご主人の「いらっしゃいませ~ッ!」「ありがとうございました~ッ!」の元気な声が終始響き渡る。2階も、1階奥には座敷もあり

一枚板の分厚いテーブルがどかどかと並び、最近のおしゃれな居酒屋のようにご案内なんてしてくれないので、自分で空いてる席を見つけて適当に座ります。当然、相席。こう聞くと、見知らぬ人といつしか盃を交し合って……という展開が期待されるのですが、ここでは1人酒していても割とほっといてくれるお客さんが多い気がします(たまたまかもしれませんが)。もちろん、声をかければ気さくに応えてくれる人がほとんどですが、あまり深入りしてこない、そんな大人の距離感が保たれているように感じます。

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