中域~高域のノイズキャンセリング効果は?
人間の話し声など、中域~高域の音に対しては、あまりキャンセリング効果がありませんでした。例えば、新幹線の車中では、売り子さんの声や、車内アナウンスの声が良く聴こえます。これは、低音ノイズをカットした事により、相対的に「声」が聴き取りやすくなったものと思われます。下車駅を聞き漏らさないで済む点では良い特性と言えますが、周囲の人の話し声や、赤ん坊の泣き声などを抑制するような効果は期待しない方が良いでしょう。もちろん、先述の通り、音楽を聴き始めると、残りの周囲の雑音は掻き消されて、気になりにくくなります。
ちなみに裏技としては、遮音性の高いカナル型ヘッドホンとの併用。基本は、カナル型ヘッドホンを使用し、上からQC15を装着すると、カナル型ヘッドホンで高域の音をカット、QC15で低域の音がカットされ、パーフェクトな静寂が得られました。
意外とOKな携帯性
オーバヘッド型のヘッドホンは、その大きさ故に、携帯するのが億劫なものです。しかし、BOSE QC15の耳当て部分は、握りこぶしくらいのコンパクトさで、きっちり90度回転するように設計されています。つまり、収納時は、写真のようにフラットな状態となり、付属のキャリングケースに収まるので、意外とかさばりません。2~3日の出張や旅行なら、荷物に紛れさせてしまえるでしょう。
気になる音質は?
ヘッドホンといえば、大事なのは音質ですが、一般的に、ノイズキャンセリング処理を行うと、音質に影響があるとされています。BOSEは初代から、ノイズキャンセリングヘッドホンの中でも音質が良いと評判で、今回のQC15も、ノイズキャンセリング機能を感じさせないナチュラルさは流石です。
特に、低音の余裕と、それによる広がり感、空気感は、コンパクトな外見からは想像できないレベルです。ノイズキャンセリング機能で、周辺の騒音から切り離され、静寂を保てるお陰でしょう。
一方、ノイズキャンセリングの副作用なのか、静寂過ぎる為か、装着時は無響室(試験用に騒音から遮断され、響きを極限まで抑えた部屋)にいるような、耳にツンとくる違和感を感じます。こちらについては、慣れるような気もするので、長期的な試用をしてみないと、結論が出なさそうです。