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愛育病院院長・中林正雄先生
産院選びは、特にこれといった問題がない人はどこで出産してもかまいません。でも、大きな病院で出産しなければ危ない人もいます。

その判定をするため、欧米では以前から妊娠リスクを測る基準が作られてきました。それが日本にはなかったのですが、2005年4月、厚生労働省の研究班が初めてその試案を著しました。一体どんな風にリスクを判定するのでしょうか?

実際に、あなたのリスク度を調べてみましょう。それから研究班の主任研究者・中林正雄先生に説明をうかがいましょう。

Q:今回点数表が作られたねらいは何ですか?

A:日本は自由に出産場所が選べますから、順調に経過している人でも大病院で出産したり、危険性が高いのに小さいところで産んでしまう人が出ます。その結果、大病院が混雑して本当に危険なお産を診る余裕がなくなったり、小さいところが無理をしてしまったりしているんですね。それでは事故のもとになってしまいます。

そこで、きちんと「棲み分け」の基準を作り、その場所に本当に適した妊婦さんが集まるようにしよう、ということになりました。


Q:妊婦さんはどのようにグループ分けされますか?

A:点数によって「高リスクグループ」「中リスクグループ」「低リスクグループ」の三つに分けられます。


Q:それぞれのグループにどんな出産場所がすすめられますか?

A:高リスクの人にはハイリスク妊娠に対応可能な大きな病院の出産がすすめられます。具体的には、「総合周産期母子医療センター」「地域周産期母子医療センター」などのセンター指定を受けているところです。

中リスクグループは「ハイリスク妊娠に対応可能な病院と密接に連携している施設」での妊婦健診、出産がすすめられます。一般的な病院の産科や、常勤の医師が複数いるような大きめの診療所などで、一部で始まっている院内助産院などもここに入るでしょう。

低リスクグループの人は危険性が低い人なので、医師1人の診療所でも出産できると判断します。助産院や自宅出産もここに含まれます。


Q:「リスクが高い」「中程度」「低い」と判断される率は、それぞれどれくらいですか?

A:2800人で試行してみたところ、「高リスク」の人は15.3%、「中リスク」の人は40.7%、「低リスク」の人は44.0%でした。妊娠後半期のリスクを加えると「高リスク」29.5%、「中リスク」 40.0%、「低リスク」30.5%になります。


Q:このリスクスコアは、すぐ実用化されるのでしょうか?

A:厚生労働省はこれから8つの病院に「産科オープンシステムモデル事業」というものを開始するのですが、まず試みに、ここで使ってもらいます。オーブンシステムとは大きな病院とクリニック、助産院などが提携することですが、リスク度の点数が高ければ大きな病院で出産することにします。


Q:内容を見ると、年齢について厳しいかな、という印象を受けました。40歳になると全員が通常の病院では出産できない高リスクグループになってしまいます。

A:全国の産科医からも意見を募る予定で、いろいろな意見が出てくると思います。最終版ができた時点で、全国の病産院で使ってもらうことになります。目安としては、3年くらいで実用化したいと考えています。


あなたのリスク度を調べてみましょう!
>>あなたの妊娠リスク度は何点?
>>赤ちゃんのリスク度は何点?

※このシリーズは、厚生労働省研究班主任研究者・中林正雄先生(愛育病院院長・産婦人科医)のご指導で構成しました。
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