アマルフィーのリゾートホテルのホワイトなデコ空間　(2ページ目)

ハイメ・アジョンの造形デザインが白い空間に調和

レセプションからつながるラウンジスペースには、スペインのBarcelona Design（バルセロナ・デザイン）社のPoltronas Showtime Indoor（ポルトローナ・ショータイム・インドア）が、さりげなく幾つも置かれています。この椅子は、スペインのクリエーター、奇才Jaime Hayon（ハイメ・アジョン）のデザインによるものです。ミラノサローネで初めて見たときは、その形の奇天烈さと大きさ（高サ1800ミリ）に驚き、どちらかというと醜悪とさえ思ったものです。そして今、このアマルフィーの歴史あるリゾートホテルの大空間に置かれると、その形の風貌さえ当然のように自然で、むしろ爽やかに感じられます。この彫刻のような造形を持つ椅子は、ヴォールト天井が作りだす曲線の空間とあいまって、身体をすっぽり包み込み癒されます。


ラウンジとダイニングの間には、ハイメ・アジョンがデザインした同シリーズのソファとアームチェア（Sofa Showtime Indoor & Armchair Showtime Indoor）がセッティングされています。古典的でエレガントなダイニングの空間にに現代なデザインのチェアでアクセントを加えています。

 

ラウンジの窓辺には、柔らかいドレープを寄せたレースからは優しく日射しが差し込み、サンドベージュのチェアーに影を落とし、白く塗装された空間にリラックスなモードを作りだします。真っ白に塗られた空間に、天井から下ろされた淡いベージュのドレープが舞台のような演出効果を、淡い茶色のテラコッタが落ち着いた雰囲気で上品なリゾート空間をつくります。

ホワイト空間を彩るデコなデザインオブジェたち

ホワイトな空間を特に印象づけているのは、モノクロ写真とフォトフレームです。1枚1枚の写真は、古き良き時代のアマルフィーの人々や景色を映したセピア色の思い出で埋め尽くされています。また、あちこちに置かれた黒い不思議なオブジェは、Moooi（モーイ）社のキャンドルホルダー、“Bold（ボールド）”です。デザインは、Roderick Vos（ローデリック・ヴォス）。














このホワイト空間では、オランダのMoooi（モーイ）社の独創的なライティングが、使われていて、空間をより印象深いものにしています。高いヴォールト天井から吊り下げられたのは、Studio Job（スタジオ・ヨブ）のPaper Chandelier（ペーパー・シャンデリア）。ソファのサイドには、同じシリーズのPaper Floor Lamp（ペーパー・フロア・ランプ）が設置されています。


確かなことは解らないのですが、この木製のベンチは修道院だった頃からここで使われていたのではないか・・！シンプルでがっしりとしたゴシック風のデザインは、超斬新なデザインのファニチャーに負けることのない存在感を持っていました。モダン椅子たちと共にコーナーに置かれ、白を基調とした落ち着きのある空間に、よりいっそう厳粛な気分にさせてくれます。







このGrand Hotel Convento di Amalfi（グランド・ホテル・コンヴェント・ディ・アマルフィー）は、リゾートの快適さをアマルフィーとい歴史的な過去に、モダンをブレンドすることで非日常空間を作り出しているように思われます。


＜DATA＞
“Grand Hotel Convento di Amalfi　”
（グランド・ホテル・コンヴェント・ディ・アマルフィー）

Barcelona Design（バルセロナ・デザイン）社
Moooi（モーイ）社