利回りって何?
ゆっくり読んだら、だんだんわかってきた!
利回りは、国債の発行時に決められている「利率」とは異なります。利率は、1年間に額面金額に対して何%の利息がもらえるかということを示すものです。「額面金額100円で利率が1%の国債」を額面金額100円分持っていると、年間1円の利息がもらえます。
一方の利回りは、「1年あたりに換算して、投資した元本に対して何%の利益が得られるか」を示すものです。利率だけでなく、国債の価格も加味したものです。
上記の債券を、額面金額100円分を100円で買って、償還期日が来たときに額面金額の100円を受け取るとします。この場合、債券の売買による利益は生まれないので、利益は利息だけですから、利回りも1%です。しかし、同じ債券を95円で買って償還期日に100円を受け取ったとすると、利息のほかに5円の利益も得られますので、利回りは1%より高くなります。105円で買った場合は5円の損失が生まれますので、利回りは1%より低くなります。
流通利回りはどう決まる? 1
では、「何%の利回りの国債として売買するか」は、どのようにして決まるのでしょうか。
利回りは、銀行などの金融機関同士の間で債券を売買する時に決められます。「利回り1.1%で買いたい」「いやいや、今なら1.05%が妥当でしょう」……、といったやりとりかどうかは分かりませんが、買い手と売り手の取引の中で、流通利回りを決めていくのです。
買い手は利回りを高く(値段を安く)して買いたいし、売り手は利回りを低く(値段を高く)して売りたいものです。買いたいという要望のほうが多い時は、売り手のほうが優位にたちますので、利回りは低く低くなっていきます。売りたいという要望が多い時は、買い手のほうが優位にたちますので、利回りは高く高くなっていきます。
新聞記事の場合は、買いたいという動きが強いので、利回りが下がり、「流通利回りが一時前日比0・015%低下(債券価格は上昇)し、0・895%を付け、」となったわけです。