泉鏡花記念館

鏡花記念館への入り口

鏡花記念館の門。大通りから一本入った筋に面しています

この記念館に足を踏み入れると、泉鏡花(1873~1939)を知らない人でも、感覚的にその世界が体験できます。鏡花の人気は、生前から今もなお途切れることなく、舞台や映像、マンガをはじめ、広くはアメリカ、ヨーロッパにも熱心なファンがいるのです。多くの人たちを引きつけて止まないそんな「鏡花の世界」とはどんなものなのでしょうか?

ひるの森

怪しく光る「蛭の降る森」。この下は通り抜けることができる

特にはっとさせられるのは、鏡花の代表作「高野聖(こうやひじり)」の一場面で、旅の僧が通った「蛭が雨のように降ってくる森」を再現したインスタレーション(空間芸術)作品です。ほんのわずかな空間なのですが、思わず引きずり込まれるような怪しい空気が漂っています。

 

「ひるの森」とジオラマ

「ひるの森」(中央)とジオラマ(右)。この辺りは全体的に薄暗い

音とジオラマで不思議な恋の物語「春昼(しゅんちゅう)」を紹介するコーナーにも、つい後ろを振り返って何かいないか確認してしまうような、何ともいえない不気味な感じがあります。

 

鏡花の代表作を紹介

鏡花の代表作を紹介する第一展示室の様子

一方で鏡花は美しいものが好きでした。描く女性もとにかく美しい。最初の展示室には、美しい人が登場する「高野聖」や「義血侠血(ぎけつきょうけつ)」など鏡花の代表作が紹介されています。

 

美しい装丁の本

美しい装丁の本

浪漫主義の鏡花が書く「美しい世界」は、文章だけではなく、本の口絵や挿絵、装丁にまで及んでいます。

 

浅野川にゆれる町の灯り

浅野川にゆれる町の灯り

鏡花の美意識は、幼いころ亡くなった美しい母や、母が持っていた美しい絵草紙の影響を受けているといいます。また、鏡花が住んでいたのも秋聲と同じ、浅野川の近くでした。夜、川面に揺れるお茶屋の灯りは、美しい一方、怪しさやはかなさも漂っているようです。

泉鏡花記念館はかつて泉家があった場所に建てられています。作品の中に登場する浅野川や茶屋街がすぐそばにあるので、市内観光の拠点にもなるおすすめの場所です。

泉鏡花記念館

泉鏡花記念館

泉鏡花記念館
住所:金沢市下新町2-3
TEL:076-222-1025
観覧料:300円
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで) 
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)、展示替期間
アクセス:金沢駅からバスで約8分「橋場町(はしばちょう)」下車徒歩約3分
ふらっとバス(此花ルート)で約10分「彦三緑地(ひこそりょくち)」下車徒歩約3分

☆市内の15の文化施設で利用できる共通観覧券もあり(有効期間が1日500円、3日間800円、1年間2000円)
利用できる施設の窓口で購入できます

最後に、室生犀星記念館を紹介します。