乳腺炎/乳腺炎の種類と対処法

重症乳腺炎の原因・対処・治療法

乳腺炎を繰り返し、治療に通い、マッサージを受けても改善せず、いつの間にか重症の急性細菌性乳腺炎・乳房膿瘍になってしまった。これは、本当につらい状態です。この段階になると、もう母乳哺育なんてつらい、止めてしまいたい、と考える方もおられるかもしれません。重症乳腺炎は予防できるものです。ほとんどの場合、お母さんが悪いのではなく、間違った指導、マッサージなどで起こります。

赤岩 明

執筆者:赤岩 明

妊娠・出産ガイド

重症乳腺炎(急性細菌性乳腺炎・乳房膿瘍)の治療

重症乳腺炎

重症乳腺炎のイメージ

細菌性乳腺炎が重症になり、炎症が腺房周囲の組織に広がると乳房膿瘍です。抗生物質による治療で改善しなければ、皮膚を小さく切開し、うみを出す(切開排膿といいます)必要があります。入院となることもあり、お母さんには、とてもつらい状態です。授乳を続けるかどうか、相談になる場合もあります。

診断のために、血液検査、乳房超音波検査が行われます。正確な統計はありませんが、切開が必要になる方は数千人に1人位の割合と考えられます。保険診療が適応されます。

乳腺炎の切開は必要?

切開が必要かどうかは、経験が必要な難しい判断です。産科の先生で施行される方もおられるし、乳腺外科を紹介される事もあると思います。乳腺外科の先生は、母乳育児のケアという視点ではなく、感染性膿瘍の外科治療として対応されると思います。地域にもよりますが、普段の授乳指導は助産師、乳腺炎の投薬治療は産科医、切開は乳腺外科医と分かれているのも、お母さんにつらい思いをさせる原因の1つです。

切開は、乳房の皮膚に局所麻酔をして、メスで1cmほど切開し、うみ(膿)を絞り出します。点滴をしながら鎮痛剤を投与されることもあります。うみ(膿)は一度で出切ってしまわないので、ドレーン(排液管)というチューブか細長いガーゼが切開部に挿入され、通院、入院のいずれの場合でも、数日の間は毎日ガーゼ交換が必要になります。それまで辛い思いをしてきたお母さんも、この切開処置の後は症状が軽減するので、ゆっくり休めるようになり、少し笑顔が戻ります。

たとえ、切開が必要な乳腺炎であっても、授乳は続けるべきだとされていますが、でも、そこに至るお母さんのつらい思いを考慮すると、母乳哺育を断念したくなる気持ちも分かります。ですから、あなたが一番、信頼できる医師、または助産師と、今後の方針を相談されたらよいと思います。

そのような際に必要な薬は、専門医の判断になりますので、このサイトでの紹介は控えておきます。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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