最新のチャイルドシートの安全基準はどうなっているの?
チャイルドシートの安全基準が2006年10月に変更され、5年間の猶予期間を経て2012年7月に完全適用となりました。何がどう変わり、何に気をつけてチャイルドシートを選んだら良いのか、主なポイントをご紹介します。
安全基準改正の目的は「安全」と「簡単」
とにかく事故で亡くなる子どもを減らしたいわけです。そのためにできることとして、
- 安全基準を強化して製品の安全性・信頼性をアップさせよう
- チャイルドシートの取り付けをもっと簡単にできるようにしよう
ヨーロッパ規格「ECE規則44号」を日本で採択
安全基準を強化するために、日本国内で定めていた安全基準を一旦捨てて、まるごとヨーロッパの統一規格「ECE規則44号」を採択することになりました。では、これまでの安全基準と比較してどこが変わったのでしょう。
これは各国がバラバラに安全基準を設けるのではなく、良いところは互いに認めてまとまっていこうよ、という国際協調の道に国交省が歩みを進めた証です。これによって製品の開発も流通もチャイルドシート先進国群のヨーロッパと協調路線を組め、より先進的で安全な製品の開発・普及への近道になると考えたわけです。
もうひとつのチャイルドシートの取り付けを簡単にするために変えたことは、すべての車両に対してシートベルトや座席の仕様を統一させることです。これによって車とチャイルドシートの相性という厄介な問題がクリアできます。
そしてチャイルドシートの取り付けをより簡単・確実にする統一規格の金具(ISOFIX取り付け装置)を備えさせて、チャイルドシート側の取り付け金具も統一規格で製造することをメーカーに義務付けました。これにより、新安全基準制定後に発売開始された車両とチャイルドシートであれば、どの組み合わせでも金具を使用した確実で簡単な取り付けができることになりました。このように単にチャイルドシートの安全基準が変わるだけでなく、車の基準も変わっていくことになったのです。