ベッド型で世界最高峰の安全基準をいち早くクリアしたモデルが登場!

アップリカ ISOFIX固定 回転式ISOFIXベッド型チャイルドシート フラディアグロウ360°セーフティー

アップリカ ISOFIX固定 回転式ISOFIXベッド型チャイルドシート フラディアグロウ360°セーフティー 

一般のチャイルドシートは「イス型」ですが、「ベッド型」と呼ばれるチャイルドシートがあります。日本ではアップリカがチャイルドシートの黎明期から開発を続けています。他メーカーが開発の困難さから撤退することが多かったベッド型チャイルドシート。そのため、世界のチャイルドシートの傾向からみると少数派ではありますが、その乗車姿勢は赤ちゃんに負担がなく、安心を提供してくれることは明確です。さらに、ベッド型で最新の安全基準R-129をクリアしたモデルが出たことで、ベッド型に潜んでいた不安要素の多くが解消しました。この機会に、ベッド型チャイルドシートのメリット・デメリットについて改めて整理したいと思います。
 

ベッド型チャイルドシートは無理のない乗車姿勢が特徴!

ベッド型チャイルドシートは、頭が大きく、首の弱い赤ちゃんを、イス型の傾斜のあるシートに無理やり座らせるより明らかに安心感があり、姿勢に無理がありません。どの方角から衝撃を受けても、首に大きな負担がかかることがありません。事故件数的にかなりの割合を占める後方からの追突の場合は、進行方向後ろ向きのイス型よりも安全とさえ言われます。それなのになぜすべてのメーカーがベッド型に取り組まないのでしょう。

それは、そもそも新生児の安全性を検証する方法が確立していなかったこと、ベッド型が理想とされる期間が生後1年未満と短いこと、ベッド型で安全性を高めるためのハードルがとても高かったことにあります。そのため、安全性の追求が高まるにつれ、ベッド型の開発を断念するメーカーが増え、日本のアップリカの「ベッド型イス型兼用チャイルドシート」は、世界的に見ても貴重な存在となりました。

ベッド型専用品にすると構造的にはシンプルですが、利用期間の短さから訴求性が低いと考え、4歳まで使用できるようにイス型との兼用でアップリカは製品開発を続けてきました。かつては、ベッド型とイス型を可変できるようにする仕組みの複雑さから、いろいろな使い勝手の悪さも生じてしまい、完成に至っていないところもあったのですが、2019年「フラディア グロウ ISOFIX 360° セーフティー プレミアム」の発売を境に、ベッド型は世界に誇れるほどの完成の域に達しました。
 

事故に遭ったとき、より安全なのはイス型?ベッド型?

事故の内容で、イス型、ベッド型のメリット・デメリットが入れ替わります。ここでは、体の未熟な1歳未満のお子さんに使用する場合のイメージで分析してみましょう。

■正面衝突……正面衝突は、死亡に至る大きな事故が多い特徴があります。イス型は後ろ向き設置時であれば、体の背面全体で衝撃を吸収します。体の背面は比較的平坦で、「面」の効果で衝撃を分散しやすく、人間工学的にも万全な設計が容易です。それに対してベッド型は、凹凸の多い、体の側面ですべての衝撃を吸収しなければなりませんので、凹凸に対応したパッド類が欠かせなくなります。ショックのはずみで赤ちゃんの体がシートから浮き上がらないように、巧みな設計も必要となります。

■後方からの衝突……とても割合が多い事故ケースですが、軽微なものも増えます。イス型は後ろ向き設置時ですと、ベルトのみで衝撃を吸収します。「面」で衝撃を分散できず、ベルトの「線」で受けるため、乳児の体へのダメージは大きくなりがちです。頭も大きく揺さぶられ、頸椎、脳へのショックも心配なケースです。ベッド型ですと、リスクが増大することはなく、イス型より安全と思われます。

■側面衝突……側面衝突はドア1枚しか衝撃を吸収する部位がないため、軽微な事故でもショックが大きい特徴があります。イス型のチャイルドシートの中でも、側面衝突対策を行っている製品は、頭部サイドが深くなっていて、厚い衝撃吸収素材が施されています。設計が古いものは対策がおろそかですので注意が必要です。ベッド型ですと、赤ちゃんの頭部は必ず車内中央側にあるため、最も衝撃が少なくて済み、イス型よりも安全性は高まります。


チャイルドシートは「子供を死なせない」ことを最大の目的としてきました。そのためチャイルドシートメーカーの大半は、死亡確率の高い正面衝突を対策の一番に持ってきたのです。幼い子供には、イス型を後ろ向きに取り付け、体の背面という平らで広い面積で効率的に衝撃を分散吸収させることで、赤ちゃんのダメージが少なくてすみ、生存率が高くなると予測されました。しかも構造的にシンプルにできるため、多くのメーカーがイス型を基本にして製品開発をしてきました。

ただし、イス型は常に衝撃に対して「身構えている姿勢」を子供に強いるので、生まれて間もない乳児には適切でないと感じる親御さんも少なくないでしょう。生後間もないうちは、事故以前に、普段の乗車姿勢に負担を感じます。また、短絡的に正面衝突対策だけを行うのではなく、後方、側面、横転など、あらゆるケースで安全性が問われる時代になってきました。そうした場合に、ベッド型の優位性は、かつてなく注目される時代を迎えています。
 

ベッド型チャイルドシートはいつまで使えるの...?

製品としては身長70センチ、12ヶ月ころまでベッド型として使用が可能で、初期のベッド型に比べるとベッドとして利用出来る期間も長くなりました。ただし、ベッド型としていつまで利用できるかを決定するのは実は赤ちゃんです。赤ちゃんによって機嫌のよい姿勢は違います。お座りは通常生後半年以降ですが、赤ちゃんはそれ以前から体を起こしたがります。首が据わらないうちから縦抱きを好む赤ちゃんが多いことからも、よく分かるでしょう。月齢が進むにつれて、赤ちゃんの様子は変わりますので、横向きに寝かせても、ぐずって泣くようだと、体を起こせるイス型の方が、機嫌よく座ってくれるかもしれません。

と言っても、製品を買い替える必要はありません。アップリカのベッド型は、3スタイルに可変します。身長が60センチ以上になり首がすわれば、後ろ向きイス型に、身長75センチ、生後15か月以上になれば、前向きイス型にも変えられ、4歳ころまで使用可能。

感心したのは、デプスアジャスターという座面の奥行調節機能。お子さんが正しい姿勢で快適に座れるように、体格に合わせて調整できます。地味な機能なので、コストを考えて大抵のメーカーは省略します。子どものことを真剣に考えているアップリカらしいポイントです。
 

3スタイル兼用は使いにくい?使い方が複雑なのでは?

乳児期も生後9~12か月程度になりますと、進行方向後ろ向きの設置に切り替えなければなりませんが、かつてのベッド型は、後ろ向きイス型にした時に背もたれ角度がきついという欠点がありました。これは安全基準上、子供の体を収める空間が限られているためで、乳児幼児兼用の大きめなシートを限られたスペースに収めようとすると、子供の姿勢を立たせざるを得ないかったからです。したがって実際の使用の時に、後ろ向きイス型をうまく利用できず、体重9キロに達するまでずっとベッドの状態で使用し、イス型後ろ向きの設置を省略して前向きイス型に移行する方が多かったのですが、そうすると、寝た姿勢を嫌がりだしたお子さんに対処できないというデメリットがありました。

この点をおよそ2010年前後、ベッティーノフィールというモデルから、本体ベースの薄型化と低重心化を実現して解消。後ろ向きイス型でも、お子さんに負担の少ない姿勢で座らせられるようになりました。これで本当の意味で3スタイルを有効に使えるようになりました。さらに「フラディア グロウ ISOFIX 360° セーフティー」から後ろ向き時のリクライニングが2段階となり、より実用的に。

もう一つのポイントとして、チャイルドシートは、お子さんの成長に合わせて、ハーネス(ベルト)の肩位置調整をしなければなりませんが、今までの製品は、いちいちシートの裏側でハーネスを外して、肩穴の位置を変更して差しなおす必要がありました。ところがアップリカの「フラディア グロウ ISOFIX 360° セーフティー」は、ワンタッチでの高さ調整を実現しています(フィットアジャスター機能)。

この進化は、ベッド型チャイルドシートに特に有効でした。ベッド型からイス型に変形させた時には、ハーネスの肩位置もハーネスの長さも同時に調節が必要になりますが、かつてはマニュアルをみないと間違えそうなほどの複雑さがありました。そうしたわずらわしさが一気になくなり、直感的にわかる動作で対処できるようになりました。

また、ハーネスの長さを調節するベルトの動作が、今までよりも格段に軽くなりました。これらのことは、使ってみないとわからない部分で、あまり製品選びの段階でユーザーが判断しにくいところですが、実はとても大切な要素。使用途中で、困難にぶつかることなく3スタイルを有効に活用できる点でとても重要な進化です。
 

便利!安全!最新安全基準R-129を取得したベッド型チャイルドシート

新しい安全基準「R-129」では、ハーネスを外さずに肩位置の調整ができることが義務化されます。先に説明したフィットアジャスター機能がそれにあたります。とても簡単に、ヘッドレストと肩位置の調節ができます。しかもアップリカの設計はとても緻密で、これらの仕組みを採用した他社製品にありがちな、ヘッドレスト部分の妙なふくらみが全くないので、赤ちゃんの大きな頭を妙に押し上げることなく自然なスタイルで収められます(後頭部を支えるヘッドレストが膨らんでいると、前向きイス型にした時にお子さんの体が前に倒れやすくなってしまうのです)。

また、最も重要と言えるのは、世界の主流とはいいがたいベッド型で、本当に安全性は確立できているのかという点を、最新の安全基準を早々に取得したことで払拭できたことです。今までのアップリカの研究・開発が、間違っていなかったことを証明しました。「フラディア グロウ ISOFIX 360° セーフティー」は、ISOFIX固定が可能で、車のISOFIX金具にワンタッチで固定でき、簡単かつ確実な装着ができる最新のシステムを持つだけでなく、前後左右360゜の安全性が、きわめて高いレベルで実証したことになります。

ヨーロッパでは、特にノルウェーでの多くの実例から、長い期間子どもを後ろ向きで乗車させることで、より事故時の救命率が上がることがわかり、注目されています。新しい安全基準R-129では「身長71センチ未満、または生後15ヶ月未満は後ろ向き、または横向き(ベッドタイプ)が必須」となりました。「フラディア グロウ360° セーフティー」は、1歳までのベッド型としての使用だけでなく、2歳まで後ろ向き乗車が可能なキャパシティを持っています。

最新安全基準に定められた側面衝突対策も取り入れられています。ベッドで使用時はもとより側面衝突に有意なスタイルで安心です。イス型で使用している時も、深く大きなサイドサポートとヘッドレストで、衝撃から赤ちゃんを守ります。

また、後ろ向きイス型で2段階のリクライニングが可能です。どちらの角度でも、乗せ降ろしの際にワンタッチで回転させてドア側に向きを変えられますのでとても実用的です。唯一、デメリットと言えば、前向きでのリクライニングが1段階ということです。イス型専用品のの高級機種は、3段階程度のワンタッチリクライニングがありますので、この部分だけ、差異があると言えます。

それ以外は、3スタイルの利便性と、親心に訴える安心感を実現した秀逸なモデルといえます。
 

最新ベッド型は「赤ちゃんの快適さ」を実現し、「高い安全性」も立証

イス型が首のすわらない赤ちゃんにも、角度のある背もたれを強いるのは、結局「いつ事故が起きても大丈夫なように身構えている状態」を保ちたいからです。そのスタイルは、生後半年もすれば違和感はありませんが、新生児に限って言えば「安全かもしれないけれど、安心ではない」というのが親の感覚。その部分にアップリカは焦点をあてて製品開発してきたと思います。

海外ではそうした発想があっても、なかなか広がっていきませんでした。ある意味日本的な「心配り」が結晶した製品かもしれません。アップリカがこだわってベッド型を作り続けているおかげで、世界の目が今一度ベッド型について考えるようになったのではないかと思います。そして、事実それを確認するために、世界統一基準であるヨーロッパの安全基準もベッド型の安全性を確認できるように規格が制定されました。新生児相当のダミー人形も開発され、身体へのダメージまで細かく計測できるようになったのです(これまではアップリカが独自に新生児ダミーを開発して使用していました)。

アップリカは過去、乳児期前半の利用に限定したカゴ状のベビーシートの開発に取り組んでいたことがあります。そのような限定的な利用なら、複雑な設計を避けてシンプルでローコストな製品になっただろうと思いますが、残念ながら実現していません。

ドイツ レーマー社が逆にそうした製品を開発してヨーロッパで販売を始めています。その背景にはアップリカの訴え続けた「事故時の対策ばかりでなく、普段の乗車姿勢においても快適で安全な環境を赤ちゃんに与えたい」という姿勢が多少なりとも影響したのではないかと思いますし、日本人だけでなく、海外でもやはり「赤ちゃんは寝かせてあげたい」という声があり続けた証拠でしょう。

 

乗車姿勢の改善が進む、イス型のチャイルドシート

新生児期の赤ちゃんにとってイス型の姿勢は決してラクではありません。基本は背もたれ45度なのですが、新生児は姿勢維持ができません。そのため、イス型のチャイルドシートには、新生児用のインナーパッドが用意され、緩やかな姿勢が出来るようになっています。姿勢を緩やかにするほど、衝撃を面で受けることができなくなるので、事故時のダメージは逆に大きくなってしまいますが、インナーパッドは、事故の衝撃で沈み込み、シート本体の背もたれ45度の面が、ショックを吸収するという考え方です。

そのため、イス型がやみくもに姿勢がきついという状況は多くの製品で改善されました。イス型もベッド型の配慮を取り入れてきているということです。結果的にイス型も製品を吟味すれば、姿勢のきつさは回避できるということです。
 

イス型もベッド型もデメリットを感じるリスクは少なくなっている

ベッド型もイス型もそれぞれにメリット・デメリットがあります。けれど、一通り大きなデメリットは各社克服してきた感があるので、最新のモデルであれば、ベッド型にしてもイス型にしても、高い安全性と、快適性能を体感できることでしょう。

子どもがどちらのタイプになじむかは使ってみるまで分かりません。寝ている姿勢になじんで機嫌のよい子もいれば、早くに姿勢を起こしたがって泣く子もいます。これは製品の良しあしよりも子どもの個性です。もっと突っ込んで言えば、親が神経質になりすぎると、子どもも落ち着かなくなり、どんなチャイルドシートにしても落ち着いて座ってくれないという状況も神秘的な相関関係もあります。ですから、不安要素を深堀して心配することは子どものためになりません。

製品を信頼して委ねる方が親子の心身に良いことです。それが許されるほど、チャイルドシートの安全性も全体に底上げされています。特に最新の安全基準R-129取得の製品群は、信頼に十分足りる製品と言えるでしょう。
 

■アップリカISOFIX固定 回転式ISOFIXベッド型チャイルドシート
フラディアグロウ360°セーフティー 

……スタンダードモデルですが、必要十分な機能を持ちます。 ■アップリカ ISOFIX固定 回転式ISOFIXベッド型チャイルドシート
フラディアグロウ360°セーフティー上位モデル
……肩パッドカバー・フットシート・日除けが深いエキストラシェード付き   ■アップリカ ISOFIX固定 フラディアグロウ ISO AC
……EC基準 R44/04適合品 (R-129ではありません) ■シートベルト 固定タイプ EC基準 R44/04 適合品
……車にISOFIXが備えられていない場合はシートベルトで固定できるモデルを(R-129ではありません)

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