ジュニアシートは、新時代に突入!

幼児期と次の段階、学童期のこどもの体を事故から守るジュニアシートは、比較的軽視されてきましたが、国際基準も本腰を入れて次期の基準を練っています。ジュニアシートはいつから・何歳から使うべき?6歳からチャイルドシート使用義務免除だけど本当にそれでいい? 概ね骨子が見えてきた現在、既に欧州を中心に、新時代のジュニアシートが続々と登場。その概要を踏まえ、解説をしていきます。
ジュニアシートは大型化、高性能化が進み、より高い安全性を実現する新時代に突入しています

ジュニアシートは大型化、高性能化が進み、より高い安全性を実現する新時代に突入しています

 
Index
学童用ジュニアシートはいつから?何歳から?
ジュニアシートの仕組み
急がない方がいいジュニアシートへの移行
6歳からチャイルドシートの義務免除…でもそれでいい?
進化する側面衝突対応のジュニアシート
ジュニアシートもISOFIXによって新時代を迎える
座面だけのジュニアシート(ブースターシート)
安価だが安全面で注意!ブースターシートは無くなる?
ジュニアーシートの選び方は?

 

学童用ジュニアシートを使うのはいつから?何歳から?

3~4歳から使用できるチャイルドシートを「学童用ジュニアシート」または単に「ジュニアシート」と呼びます。一般に車の座席にシートを置くだけ。子どもは車のシートベルトで直接ホールドします。取り付けのわずらわしさがなく、手軽に使えます。

2012年施行の安全基準R44では、体重15~36kgが対象ですので、およそ3~4歳から11~12歳頃までが対象です。

しかし、次期の新しい安全基準R129では、体重ではなく身長で使用目安が定められます。2018年現在、まだジュニアシートの新基準は発表されていませんが、身長100センチ以上を対象とすることになる見込みですので、今後の新しいジュニアシートは、3歳以上ではなく、4歳以上が対象となっていく予定です。上限は変わらず11~12歳ころまでと思われます。

既に新基準に見合った内容の製品が海外製品を中心に販売を開始していますので、しばらくは対象の表記が異なる製品が市場に混在するようになるでしょう。製品を購入の際に、対象が「身長100センチ・4歳以上」となっているジュニアシートは、新しい基準を見込んで設計されている製品といえます。

2018年10月 現行安全基準 UN/ECE/R44/04
・グレープ II 体重15~25kg
 およそ3~4歳から 6~7歳頃才頃まで
・グループ II III 体重15~36kg
 およそ3~4歳から11~12歳頃まで

次期安全基準UN/ECE/R129
・身長100センチ以上
 およそ4歳から 11~12歳頃才頃まで
 身長135センチまで側面衝突対応が義務付け
 

ジュニアシートの仕組み

 
ジュニアシートは姿勢維持とシートベルトの位置補正が目的

ジュニアシートの第一の目的は姿勢維持とシートベルトの位置補正


体格が大きくなるのに比例して事故時の負荷が増大しますので、幼児用のチャイルドシートのように「チャイルドシートを座席に固定し、チャイルドシートのベルトで子供を拘束する」という二段階のサポート方法では遊びが大きくなりすぎ、またチャイルドシート自体の強度的も不足しかねません。そのため体重18kgを超えたら、もしくは身長100センチに達したら、車のシートベルトを直接体にかけて使用できる「ジュニアシート」に移行が必要となります。

ジュニアシートの第一の役割は、大人の体格に合わせて設計されている車のシートベルトを、小さな体格のお子さんに合わせて位置補正することです。車のシートベルトは135センチないし140センチ以上の大人の体格を対象としていますから、そのままでは子供の小さな体を適切にサポートできません。

まず座面を上げることで、シートベルトがお子さんの小さな骨盤をキープできるようにします。そして背もたれによって、お子さんの姿勢が崩れないようにし、肩部にシートベルトガイドをつけて、常に鎖骨、肋骨にシートベルトがあたるようにします。こうして、首や腹部の弱いところを避けて、強い骨格部分にシートベルトをあてがうことができ、事故に備えるのです。

 

いつから?何歳から?
急がない方がいいジュニアシートへの移行

いつから、何歳からジュニアシートに移行すればよいのでしょう? 幼児用のチャイルドシートは、4歳前後まで使用できますが、お子さんによっては3歳を超える頃には狭く感じますし、下のお子さんの都合もあったりして、多くの方が早めにジュニアシートの利用を検討されます。

しかし、ジュニアシートへの移行は、あまり急がない方がいいでしょう。ジュニアシートは今までの5点式ハーネスと違って、3点式になりますし、ベルトが自在に伸び縮みするので簡単に抜け出してしまえます。バックルを自分で外すことだって出来てしまうでしょう。

股ベルトがないので、事故時に胴体が腰ベルト下に潜り込んで危険な状態になるサブマリン現象も起こりやすくなります。事実ジュニアシートを利用したお子さんの事故例では、シートベルトが骨盤からずれたことによる腹部の負傷が最も多いのです。

ジュニアシートはあまりリクライニングさせず、腰を深くして座り、つまり骨盤が立った状態で乗ることが大切です。お子さん自体にきちんと座ることの大切さについて自覚がないと上手く使いこなせません。もう半分は大人扱いのシートになるわけですから、子どもにもそうした自覚を求めることになってしまうのです(新時代のジュニアシートはこの問題も解決案を見つけ出しています)。

幼児用チャイルドシートのような複雑さがなく手軽に使用できることから、親も早めにジュニアシートに移行したいと思いがちなのですが、お子さんの聞きわけがないと勝手に抜け出したり、姿勢が崩れたりして危険度が増します。

出来るだけ長めに幼児用チャイルドシートを使用して、これらのシートにきちんと座ることの習慣付けを行ってからジュニアシートを使い始めましょう。つまりは幼児期の安全への取り組みの積み重ねが学童期の安全性につながるということです。

 

6歳になればチャイルドシートの義務は免除
でも、それでいいの?

道路交通法では、6歳未満のお子さんに対してチャイルドシート使用義務があります。

では、6歳になったら座席にそのまま乗せても安全なのでしょうか?

すでにお話ししましたように、135センチ以上の身長がない限り危険ですね。国際基準では135センチに満たないお子さんに対してジュニアシートの使用義務があるという前提で規則が制定されています。およそ11~12歳相当の身長ですから、日本では6歳からそれまでの期間、安全義務を法的に強制しない空白期間があるのです。

義務がなければ使わなくても良い、「つまり安全なんだろう」と考えてしまうのが人の性。堅いことを言えば、現状の6歳未満の規制は、子供の人権をないがしろにしていると言えなくもありません。

もともとチャイルドシートについて意識が浅かった日本では、法的に義務化するときに、かなり壁が高く、一気に海外レベルの規制をかけるのは難しいと考えたのだろうと思います。制定当時「チャイルドシートに乗せるなんて子供が可哀そう」という人が多かったくらいですから。

現在では、だいぶ意識が変わりました。道路交通法の欧州レベルへの早期改定が望ましいですが、親としては法的な義務がなくとも、11~12歳まで安全に使用できる設計のジュニアシートを選んであげることが、大切な愛情表現でしょう。

 

進化する側面衝突対応のジュニアシート

ジュニアシートも側面衝突対応が義務付けに

ジュニアシートも側面衝突対応が義務付けに

単に背もたれがあるというだけでなく、サイドに大きく張り出したサポートを持ち、頭部から胴体部まで、側面衝突の衝撃から体を守ってくれる設計のジュニアシートが増えてきました。

これら「ハイパックレスト」のジュニアシートの台頭は、次期の安全基準が側面衝突対策を義務付けることが分かっているからです。すでにヨーロッパから輸入されるジュニアシートはすべて対策済みです。メジャーなブランドとしては、ブリタックス レーマー・マキシコシ・サイベックスなど。

日本では、まだそれらのジュニアシートは大げさに見えたり、邪魔に感じたりする傾向があります。狭い車内にたくさん乗ろうと思えば、確かに少しでもコンパクトな方が都合はいいですが、子供の安全はコンパクトさと相反する要素となりますのでご注意ください。

 

ジュニアシートもISOFIXによって新時代を迎える

ジュニアシートもISOFIX固定が可能に

ジュニアシートもISOFIX固定が可能に

金具で簡単に固定ができるISOFIXという仕組み。従来幼児用シートのためだけに使用されていましたが、ジュニアシートにも利用されるようになりました。次期安全基準で、正式に規格が定められる見込みですが、対応製品は既に販売を開始しています。

ジュニアシートは固定せずに使用できる手軽さが魅力。そのかわりグラグラと落ち着かず、カーブで傾いたり、お子さんが自分で乗り降りしようとすると倒れてしまったりと、不都合は少なくありませんでした。

厳密には、事故の瞬間に座面から浮き上がるお子さんの体に、ジュニアシートがくっついていくのも、安全面では都合が良いことでした。それはシートベルトが確実に鎖骨や骨盤という強い骨格にかかる状態を維持しやすいからです。

ISOFIX固定のジュニアシートになると、安定するのは大きなメリットです。そのかわり、事故の瞬間に、いかにお子さんの体を浮き上がらせずにキープするかが問題となりますので、各メーカー創意工夫が望まれます。

また、シートベルトが骨盤から外れて腹部を圧迫している問題を解決するために、解決案を見出したメーカーもあります。その工夫が明確に見られるのがブリタックス レーマーのキッドフィックス2XPです。サブマリン現象による腹部圧迫を防ぐセキュアガードというパーツが肝です。

2018年現在でのおそらく最高峰と思われるジュニアシートが、どのような構造を実現しているのか、動画で解説していますので、下記を参照ください。



 

座面だけのジュニアシート(ブースターシート)
安価なものの、安全面では注意も

背もたれのないブースターシート 一番安価で手軽ですが、安全面では注意も

背もたれのないブースターシート 一番安価で手軽ですが、安全面では注意も

背もたれのない座面だけのもので、比較的安価に販売されているジュニアシートです。座面を底上げすることによって腰ベルトが適切に腰骨をキープし、肩ベルトが首にカからないようにすることが狙いです。

姿勢良くうまく乗車できる年齢にならないと、事故時に衝撃を分散吸収できません。子どもにダミー人形のようにじっと座っていることを期待するのは無理な話で、現実的にはあまり安全を保てるとは思えません。サイドからの衝撃からも全く無防備になります。

それでも最低限必要な安全性は確保できます。お友達用や実家などでの臨時用にはかさばらないので助かるでしょう。警察におとがめを受けることもありません。が、あくまで「最低限」なので、安全性を考えたら背もたれ付きジュニアシートをお薦めします。

 

座面だけのブースターシートは無くなる?

次期の新安全基準R129では、身長100センチから135センチまでのお子さんに対して、側面衝突対策を施すように定められる予定です。したがって、背もたれやヘッドレストがあり、かつ側面のサポートもしっかりしているものでなければ、製品として認可されません。座面だけのブースターシートは、新たな製品としては出てこないことになります。ただし、既にお持ちの製品は使い続けることができます。

 

ジュニアーシートの選び方は?

現状、市場に出ている製品の性能差が、乳児用、幼児用に比べて大きく感じるのがジュニアシートです。乗車スペースの都合や、使用頻度の問題でコンパクトなものしか選べない方は、4歳以上という条件を守りつつ、座面だけのブースターシートを選ぶこともできます。

特別な理由がない限りは、背もたれ付ジュニアシートを選びましょう。どうしてもお子さんは車に乗っていると寝てしまうことが多く、寝ても姿勢を維持してくれる背もたれ付のジュニアシートは、適切なシートポジションをキープするために欠かせないものと思います。

さらに予算が許せば、欧州からの輸入品にみられるような、新安全基準の対応を見越した高性能なジュニアシートをお勧めします。価格差が大きく、やみくもに奨められませんが、安全意識の高い親御さんであれば、その意義は感じ取れるものと思います。
 

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