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喜多俊之が語る日本の“暮らしぶりに危機感”

JID主催、「インテリア未来」の講演から、喜多俊之氏+米谷ひろし氏のトークショーから、最近の海外デザイン状況と日本のデザインについてつ聞きかじりをメモしました。

菅野 民子

執筆者:菅野 民子

インテリアスタイル実例ガイド

喜多俊之が語る「インテリア未来」

日本列島が熱したフライパンのように過激に暑い先日、東大弥生講堂・一条ホールにて「インテリア未来」と題しての熱いトークショーが繰り広げられました。この講演は、社団法人インテリアデザイナー協会(略称:JID)が主催。ヨーロッパで活躍するとともにJIDの理事長でもあるデザイナー“喜多俊之”氏のデザイン論から始まり、ゲストに米谷ひろし(トネリコ代表)氏を代表に迎え、司会を川上玲子(JID理事)氏の3人によるそれぞれの新しい日本のデザインに対する熱い想いが語られました。

喜多俊之氏の講演

喜多俊之氏の講演

喜多氏の講演は、イタリアに渡航した頃からの暮らしの体験を、貴重なスライドを交えながらのお話です。一言もイタリア語がしゃべれず、耳に残った“チャオ”だけで挨拶をしながら、すべを乗り切った話。彼がデザインした家具はもちろん、シャープの“AQUOS”から始まる液晶TVの話では、コマーシャルの映像にはスタジオなど作り物は使わず、必ず実景にこだわった話など、あの有名女優と壮麗な背景を思い出しながら、ひとり頷きました。現在は、シンガポール、タイのデザイン顧問での活躍、中国でのデザイン活動から、胡錦濤氏から直接デザイン顧問を授かった話など興味が尽きない話題がいっぱいでした。


アジアのインテリア状況

「インテリア未来」トークショー

「インテリア未来」トークショー

「インテリア未来」のトークショーでは、3人の会話はつきることなく、喜多氏の「インテリア未来」は、中国の現在のインテリアの状況、デザインに力を入れており、デザインをハッピー産業と捉えている。10年前から中国に進出した韓国のデザイナーたちが、今や中国の主力となって動いているとのこと。日本の出遅れ…!
川上氏からは、「日経新聞によると世界では、もう日本人を必要としていない」の記事に危機感を感じると投げかけると、喜多氏は、日本抜きでは考えられない。今、中国でおこっていることは、巨大な日本ができあがっている状況だとのこと。これからは、喜多氏が中国デザインの牽引役になるとのこと。


米谷氏曰く、日本人は新しいものが好き。ニューが好きな国民、「かわいい」が好き。学生に課題をだすと“癒しのデザイン”が主流に、のんびりしたいがキーワード」と。中国万博の日本産業館でのキーワードは「きれイ・かわいイ・きもちいイ」。また海外での仕事で感じることの問いに、日本の距離感にあり、その遠さが強みではないかと…。興味深い答えでした。喜多氏からは、日本独特の技を極めること、“きわめのこころ”が核になり、“ささいな違い”がわかる貴重な文化として生き残ると…。


日本人の“暮らしぶりに危機感”!

そして、喜多氏のまとめは、今の日本人の“暮らしぶり”に危機感を持っていると話されました。暮らしの中にデザインや文化が不在になっていることに憂いを感じている。イタリア人のように暮らし方に哲学を持ち、デザインを楽しむことができるようなデザイン運動をしていきたい。それが日本のデザイン産業の突破口になるのではないか…。と心強い言葉がありました。


<DATE>
社団法人 日本インテリアデザイナー協会
「インテリア未来」のセミナーより
協力:JID関東広報委員会

<関連サイト>
喜多俊之氏の詳しい情報を知りたい方は
All About:「家具・インテリア」ガイド:石川尚の“イエコト”をご覧ください。
「AQUOSデザイン:喜多俊之が語る「インテリア未来



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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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