建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

外廊下のあるコンクリートの小さな箱[laatikko](4ページ目)

金属のフェンスに囲われた、コンクリート打放しの小さな2階家。安藤忠雄の名作「住吉の長屋」のように、屋外の細長い廊下や階段室を介して日常生活を営むという、一見不便ともいえるコンセプトで建った、他に類をみないユニークな住宅です。

執筆者:川畑 博哉

天井から光が降るリビング


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2階
上/リビングの北東側の開放的な眺め。左側が廊下と入口。中上/西側はエアコンをビルトインした壁収納。中下/左・窓の前にはフィンランドの小学校で使われていた机が置かれている。右・南側の壁いっぱいを占める造り付けの本棚。下/左・大窓の左右は、ガラスの吊り戸の付いた収納。右・吹抜けにはミニクリプトン照明が付いている。


2階はリビングと寝室を兼ねた、ほぼ15畳のワンルームです。床はフィンランドパインの無垢材を敷き詰めたフローリング。見上げるとコンクリート打放しの天井が、南側に向かって跳ね上がっています。東西に伸びた窓からは、隣地の黒い屋根とその先に広がる青空が顔をのぞかせています。これが南に開いた唯一の窓です。東側には隣地の学校の緑を望む、1辺が1m50cmの正方形のガラス窓があり、その足元は細長い吹抜けになっています。ここを通して下に外の光を届け、1階のダイニングからの呼び声や気配も伝わってきます。いわば「コミュニケーション・ヴォイド」ともいうべきデザインです。

◆建築データと建築家プロフィール


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