中国株

IPO後の中国農業銀行は買い?(2ページ目)

中国農業銀行は中国5大国有銀行で最後となる新規上場を2010年7月に果たしました。上場後、株価は公募価格の3.2HKD前後の細かい値動きが続いています。今なら公募価格とほぼ同じような水準で買うことも可能です。中国農業銀行は買いかを検討してみましょう。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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広大な支店網と「三農政策」による成長期待

特徴としては中国の農村部を広範囲にカバーしているため、最も多い販売網と個人顧客数を持つ銀行です。09年末時点で23,624支店を持ち、そのうち過半数の12,737支店は農村部にあります。支店数は工商銀行、建設銀行、中国銀行を全て足したものより大きく、3.2億人の個人客と260万の企業顧客を有します。
銀行カードの発行枚数でも一位です。名前の通り農村部に強く、地方での預金、貸出の市場シェアはそれぞれ22%、14%で国有銀行中トップとなっています。

中国では毎年「三農問題」(農村、農業、農民に関する政策)が重要国策として位置付けられており、融資面でも様々な優遇策が取られています。農業インフラの整備や地方の都市化に関わるプロジェクト融資の拡大、さらには農村部の所得向上によるリテール業務の成長が期待できます。ただ農村ばかりを営業しているわけでなく、都市部での融資額は農村地域の2.5倍以上もあります。農村部からは預金の比率が高くなっており、地方で集めた預金資金を都市部の需要のあるところへ多く貸し出しているという構図です。

今後も都市部と農村部両面での強みを活かし、圧倒的な販売網を活かした保険などの金融商品の販売増などで成長を続けていく方針です。
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