中国株

IPO後の中国農業銀行は買い?

中国農業銀行は中国5大国有銀行で最後となる新規上場を2010年7月に果たしました。上場後、株価は公募価格の3.2HKD前後の細かい値動きが続いています。今なら公募価格とほぼ同じような水準で買うことも可能です。中国農業銀行は買いかを検討してみましょう。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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IPO後の中国農業銀行は買い?

中国5大国有銀行の1つ、中国農業銀行が上場!

中国5大国有銀行の1つ、中国農業銀行が上場!

中国農業銀行は中国5大国有銀行で最後となる新規上場を2010年7月に果たしました。上海と香港株式市場で同時に新規株式公開し、その資金調達額はオーバーアロットメントを含めると220億米ドルを超え、06年に行われた工商銀行のIPOを上回る史上最大規模となります。上場日は上海が7月15日で、翌16日が香港株式市場です。香港での公開価格は公募価格中間値をやや上回る3.20香港ドルとなりました。上場後、株価は公募価格の3.2HKD前後の細かい値動きが続いています。

09年度の受取利息収入は2961.5億元でこれは中国・香港の銀行中4位です。また資産規模でみても工商銀行、建設銀行、HSBC銀行に次いで世界第4位の商業銀行となります(工商銀行は時価総額、資産額、利益額全てで世界トップ)。09年末の総資産額8.88兆人民元は中国の銀行全体の11.3%を占
め、純利益の成長率26.3%増は業界トップであります。ただしこれは前年の成績が他行より大きく悪かったために伸びたのであって、経営指標は相対的に他を上回っているわけではありません。

これまで中国の大手行は上場以来どれも株価を伸ばしてきました。先週の株価で測っても05年5月上場の交通銀行が上場来で192%、05年10月に上場した建設銀行は163%、06年6月の中国銀行は25%、06年9月の招商銀行は118%、そして最終06年10月上場の工商銀行は55%の上昇率となっています。

株価の伸びは上場した相場タイミングにもよって様々ですが、それ以外にも比較的高い配当を出し続けてきた業界であり、株価上昇と配当利回りを足せば悪くない投資先であります。

成長小型株ではないので緩やかなものになると思いますが、農業銀行も堅調な業績成長を背景に、上場後も配当額と株価を共に伸ばしていける期待があります。
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