海外に行く前に手続きが必要
生命保険は、保険料をきちんと払い続けていれば契約は有効に継続し、保険金や給付金の請求もできます。これは、海外転勤や移住で日本にいない場合も同様です。ただ、被保険者が長く日本を留守にする際は、事前に手続きが必要です。その手続きは、大きくわけて2つあります。■書類の提出
保険会社では、海外転勤や移住する場合の届け出書類を用意してあります。転勤と移住では、提出する書類が若干異なるので、加入している保険会社に確認して取り寄せましょう。
■保険料の支払い方法の選択
これには、下記の3つの方法があります。
1.本人の国内にある金融機関の口座や勤務先の国内給料からの引き落とし(海外転勤の場合)、クレジットカード払い
この場合、国内にいたときと同じ払い方なら、特に変更手続きは必要ありません。ただ、国内金融機関の口座やクレジットカード払いにしている人は、海外にいる間、口座残高に注意するのを忘れないで。保険料の引き落としができなくなると、契約が消滅してしまうからです。
2.前納・一括払い
残りの保険料を全部支払ってしまい、保険料の支払いをしなくてもいいようにしておくことです。
3.国内の代理人からの払込
渡航前に保険会社に委任状を提出し、保険料の支払いを代理人に委任することです。代理人の口座から引き落とす、払込用紙で支払う方法を選べます。代理人になれるのは、国内に住む、三親等以内の親族としている会社が多いようです。
海外で保険金や給付金を請求する事態になったら? 続きは次のページで。
海外で保険金や給付金を請求する事態になったら?
では、海外にいるときに、死亡や入院で保険金・給付金を請求する必要が生じたときはどうすればいいのでしょう? これには、次の3つの方法があります。1.国内の代理人に請求手続きをしてもらう
2.日本に帰国して請求手続きを行う
3.海外から請求手続きを行う
3の「海外から請求手続きを行う」は、できる会社とできない会社があります。できる会社は、書類を現地に送付してくれたり、保険金・給付金を現地口座に送金してくれる会社もあります。ただし、送金してくれる金額が限定されていることもあります。また、入院・手術給付金の支払いは、入院した医療施設に条件が設けられている会社があります。
海外から請求手続きができない会社は、1か2の方法で請求することになります。
加入している会社は、海外から請求手続きができるのかどうかを事前に確認しておきましょう。どちらにしても、国内の代理人を立てておいたほうがよさそうです。
なお、手続きが煩雑でめんどうだという場合は、解約してしまうのも1つの方法です。
保険会社各社では、「海外渡航のてびき」を作成しているので、海外転勤が決まった、移住を計画しているといった人は、取り寄せて読んでみるといいでしょう。