損切りが重要である理由

損失を抱えた時、投資資金に余裕がある場合や、相場の分析に自信がある場合は、損失から脱出する方法として、さらに株を買い増す「ナンピン」を行う方法をとることができます。

しかし、投資資金に余裕がなく、相場の分析に自信がない場合は、損失のある株を売却して損失を確定する「損切り」を行うことが大切です。なぜなら、損切りを行わなければ、損失をそのまま保有する、つまり塩漬け株を保有することになるからです。

損失の金額を比較してみる

では、どの程度の値下がりで損切りを行うのがいいのでしょうか?

損切りラインの目安としては、「買値から10%の値下がりで損切り」という数字をよく見かけます。10%が妥当なのかを考えてみましょう。

たとえば、100万円分の株を買ったとします。10%値下がりしたら90万円、つまり10万円の損失です。一方、1000万円分の株を買った場合は、10%値下がりしたら900万円、100万円の損失になります。

10%という数字は変わりませんが、損失の金額は投資金額に比例して大きくなります。10万円という数字と100万円という数字だけを比べた時、10万円程度なら思い切れば損切りができそうですが、100万円となると若干勇気が要りそうですね。

投資総額に占める損失の割合を考える

次に、損切りライン10%を、投資金額に対して一体どの程度の割合を占めているかという先程とは異なる視点から考えてみましょう。

投資資金が100万円しかなく、総額100万円のうちの10万円を損切るとなると、投資総額の10%が減ることになります。しかし、投資総額が1000万円あり、そのうちの100万円を投資して10万円を損切る場合には投資額の1%です。損切る金額は10万円と同じでも、投資総額に占める割合は1%です。思い切れば損切りができそうですね。

一般的な損切りラインの10%という数字を見ても、その人によって10%が大きくも、小さくもなります。つまり、皆が同じ損切りの目安の数字を使えるわけではなく、損切る金額はもちろん、投資資金に占める割合を考えながら、損切りの目安として何%がいいかを考えていくことが必要になります。

損切りの後に株価が戻ったら損!?

ところで、損切りを行う時に、「損切りを行った後に株価が戻ってしまったらもったいないしな」等と思う人も多いかもしれません。

しかし、損切りを行う必要性が生じるのは、どのような状況が多いと思いますか?

株価チャートを見てみましょう。左側の紫色の囲んだ株価が値上がり基調の時には、多くの人が株を買えば儲かる状態です。

チャート

日経平均株価チャート。YAHOO!ファイナンスより。拡大画像あり


しかし、右側にピンク色で囲んだ株価が値下がり基調の時は、大勢の人が損失を抱えている状態と言えます。最初は100万円に対して1、2%程度の損失だったものが、株価がさらに値下がりして損失が大きくなる状態ということです。簡単にいえば、買えば損をする状態なのです。

最初は損切りを行うことに勇気が必要かもしれませんが、損失を抱えて精神的にきつい状態が続くよりも、思い切って損切りを行えば新たなスタートを切ることができるようになります。機械的に損切りを行うことが、儲けを増やす上では必要不可欠です。

ですから、投資資金に占める損失の割合や株価の推移等を総合的に判断して、その時々に合わせて損切りラインを考えていくことが大切になるでしょう。



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