現役ライターならではの、
読ませる!読書感想文の書き方講座
読書感想文の書き方、あなたならどうレクチャーする?! |
読書感想文といえば夏休みの宿題を連想する方も多いと思いますが、日頃から本を読むことが少なくなってしまった最近の子どもたちにとっては最もやっかいな宿題のひとつ。本離れ・活字離れが進む中で、読書感想文を苦手とする子供たちはパパママ世代よりも増加傾向にあるようです。
そうはいってもインターネットや娯楽の普及等で大人たちでさえも本を読まなくなってしまった昨今、教えるパパママにとっても読書感想文の書き方をレクチャーするのは難しいことですよね。
そこで今回は、オールアバウト「男の子育て」ガイドによるライターならではの「読ませる!読書感想文の書き方講座」を開講します!
原稿用紙を埋めようとすると落とし穴が……
どうせ書くなら「面白い!」と言わせる感想文を書こう
まずは手厳しいことを書きますが、もしもガイドが実際に子供たちの読書感想文を添削することがあるとすれば、本のストーリをざっくりと紹介して、「面白かったです」「また読みたいです」などと書き終えた読書感想文には、合格点をあげることはできません。なぜなら、このような書き方からは「何でもいいからたくさん書いて、原稿用紙のマス目を埋めてしまおう」という意図が容易に見て取れるから。ガイドも子どもの頃に経験がありますが、読書感想文あるいは作文を書く際に「頑張ってたくさん書こう!」「少なくとも原稿用紙○○枚以上は書こう!」と考えると、書きたいことを書くというよりは、原稿用紙のマス目を埋めるために文字数を稼ごうとしてしまいます。それは決して悪いことではありませんが、文字数を稼ごうとすれば頭に浮かぶのは「本のあらすじ、ストーリーを詳細に説明する」という手法です。これは、ただ単に「たくさん書く」ということだけが目的であれば抜群の効果を発揮しますが、「面白いモノを書こう」と考えたときにはあまりおすすめできない手法でもあります。
あらすじで文字数を稼いでも、面白いモノは書けない
なぜなら、レビューとはとても難しい文章だから
プロのようなレビューを書かずとも、文字数を稼ぐことは簡単です! |
しかし、そのような文章が面白いかというと全くの別モノ。どちらかといえば、ガイドはそのような文章に引き込まれる読者は少ないと思います。もっと言えば、その読書感想文が長いほどに読み疲れてしまい、最後まで読んでもらえない可能性すらあるのではないでしょうか。
なぜなら、「本のストーリーを紹介しつつ、主観を書き、ときには批評し、さらに読者にその本の持つ魅力を伝える」という文章は、プロのライターでさえも難しいレビュー(文芸・芸能などに関する評論、論評)という文章だからです。
書籍レビューは簡単なようで実は奥が深く、それを専門として生計を立てるプロが存在するほどの業種です。よほどの文章力が伴わなければ、せっかく何十枚も書いたところでそれを評価してくれる読者は少ないでしょう。
しかも、プロのレビューアー(評論家、批評家)であれば、一行で心に響くようなキャッチコピーを必死で考え、出来るだけ短い文章で読者を引き付ける努力をしますから、これでは「頑張ってたくさん書こう」という思いとは全く別次元の話しになってしまいますよね。
要するに、文章を書き慣れていない子供たちが面白い読書感想文を目指すのであれば、レビューのような文章とは全く違った書き方を考えた方がずっと近道なのです。
視点を変えれば文字数だって無限に稼げる
面白い読書感想文のポイントは、「脱・レビュー」かも?!
本との出会いにも、それぞれのストーリーがある。 |
いろいろな書き方がありますが、例えばその本と出会ったいきさつや、その本を読んでみようと思ったきっかけなど、本を読む前の自分にスポットを当ててみてはいかがでしょう。
【本と自分との関係にスポットを当ててみる】
- この本は、○○さんに紹介された本である
- この本は、誕生日に母からプレゼントされた本である
- この本は、小さい頃から何度も読み返している「愛読書」である
- 小さい頃から何度も読み返している愛読書である
- この本は、おじいちゃんもお父さんも子どもの頃に読んだことがある名作である
- この本は、内容というよりもタイトルや表紙の写真に惹かれ、思わず「ジャケ買い」してしまった本である
1.ある日、母が本を買ってきてくれた。
2.その本は、誰もが知る有名な人物の伝記だった。
3.でも、ボクには難しそうで、なかなか読む気になれなかった。
4.ある雨の日、何となくその本を手に取り、読み始めた。
5.読み進めるうちにグイグイと引き込まれ、時間を忘れ読破してしまった。
6.なぜなら、ボクにも似たような経験があったから……。
7.読み終えたボクは、この本を親友のアイツに紹介したくなった。
8.そうそう、買って来てくれた母にも「ありがとう」って伝えよう。
いかがでしょう?これはあくまでも一例ですが、まだ本を読む前の、初めて本を手に取った瞬間から読み終えたところまでを一気にストーリー仕立てで書く事だってできますよね。しかも、このような構成にすることによって読者はあなたのことを身近に感じ、さらには本についても強い興味を抱くことでしょう。
要するに読書感想文とは、「本のストーリー紹介+面白かったです(感想)」ではなく、少しだけ視点を変えただけであらゆるメッセージを書き綴ることの出来るとても面白い作文なのです。
もしも「パパ、読書感想文の書き方を教えて!」と言われることがあれば、ぜひ「こんな書き方もあるんだよ!」とアドバイスしてあげてくださいね。
さらに面白い、「読ませる!読書感想文」を書くヒントについては、「ガイド流 読書感想文の書き方(後編)」にて紹介します!