子どもを自転車に乗せて幼稚園・保育園の送り迎えをしているママ&パパさん、ドキッまたはヒヤッとしたことはありませんか?
「走っているときに他の自転車にぶつかりそうになった」「子どもを乗せよう(降ろそう)としたときにグラッと倒れた」…などなど。
実際に、子どもが落ちてケガをしたという経験がある方も少なくないでしょう。
今回は、以前にお話した通園用自転車の選び方に続き、子どものケガを防ぐ自転車通園の新たな必需品・ヘルメットについてのお話です。
1 ヘルメットが必要なワケ
2 購入・装着のポイント
1 ヘルメットが必要なワケ
理由・その1
子ども乗せ自転車の事故は、こんなに多い
先日、東京都立墨東病院の宮本伸哉医師(脳神経外科)実施の、ある調査報告が新聞記事で紹介されていました。
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『日本経済新聞』2003年9月25日
「親の自転車が転倒・補助いすの子に「ケガさせた」3割」より
(以下、記事抜粋/太字は引用者)
宮本医師は今年2月、都内の23幼稚園の保護者約2800人にアンケートを実施。それによると、保護者の97%が補助いすを購入し、うち3割がスリップや転倒事故で子どもにけがをさせたことがあるという回答。事故件数は、計約1500件だった。
宮本医師は「補助いすのシートベルトを着用しても体が固定され、かえって頭などにけがをして危険だ」と指摘。脳内出血で緊急手術したケースもあり、ヘルメット着用の義務付けなど法的規制の必要性を訴えている。
年齢別では2歳児が約500人と最多で、1歳未満の乳児の負傷例も多くみられた。
宮本医師は「2歳児未満の乳幼児は骨が柔らかく、骨折や頭部外傷を受けやすい。親はもっと補助いすの危険性を認識してほしい」と話している。
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「子ども乗せ自転車は事故が多い」。まずは、この事実をきちんと認識しておきましょう。
理由・その2
海外ではすでに、ヘルメット着用が義務づけられている国もある
一方海外では、子どもだけではなく大人も「自転車に乗るときはヘルメット着用」が義務付けられている場合も多いようです。
中でも有名なのはオーストラリア。現地在住の知人によると、日本のように「移動の手段」として自転車に乗っている人はほとんど見かけないとのこと。自転車に乗っている人はきちんとヘルメットをかぶり、「スポーツとしてサイクリングを楽しんでいる」人が多いようです。
「移動の手段」として自転車を使っている日本とは多少事情が異なるかもしれませんが、自転車の危険性についてはどちらも同じはず。むしろ、狭い道で自動車のすぐそばを走ることの多い日本のほうが、より危険なのではないでしょうか?
理由・その3
「自動車のチャイルドシート」も以前は義務ではなかった
「今まで使っていなくて平気だったし、周りでも使っている人なんていないし…」と思うママは多いかもしれません。
でも、思い出してください。ほんの5年前には、自動車のチャイルドシートなんて、よほど意識の高い人しか使用していませんでしたよね。
シャイルドシート着用が法令で義務化された現在は、チャイルドシートなしで子どもを自動車に乗せるのは、とても危険に感じられます。
将来「子どもを自転車に乗せるときのヘルメット着用」が義務化されるかもしれませんが、それまでに事故に合うことだって充分考えられるはずなのです。
「自動車に乗るときはチャイルドシート」と同じように、「自転車に乗るときはヘルメット」。法令で強制されていなくても、子どもの安全を考えて、自主的にヘルメット使用を始めるべきではないでしょうか?