保育園
公立保育園の民営化でひとつの裁定が下された。その内容は…
全国で公立保育園の民営化に伴う裁判が起きています。保育園の民営化によって子どもの環境が急激に変わり、さまざまな問題が出てきたことを問う行政訴訟です。毎年4園ずつ、公立保育園を民間に金銭で移譲する形で民営化を行ってきた横浜市で、最初の年度に民営化が行われた保育園に子どもを預けていた保護者たちが起こした裁判に対し、11月26日、最高裁判所で判決が下りました。

判決の内容と、判決が今後に与える影響について考えてみました。

早急な民営化に待った!

横浜市では前・中田市長の下、03年夏に民営化の方針が出されました。公立保育園に「値段」をつけてそれを「買う」法人を見つけるという移譲方式での民営化が提示されたことで、当該園の父母からは「私たちの子どもも一緒に売り払うというのか!」と大きな反対運動が起こりました。しかし、12月に4つの公立保育園を民営化する条例改正案が提出され、市議会で可決。翌04年の4月から民営化が行われました。

移譲直後には事故も多発。その状態は市の責任であると感じた保護者たちは民営化の取り消しを求めて訴訟を起こしました。1審の横浜地裁は06年5月、民営化そのものの取り消しは認めなかったものの、「早急な民営化は違法」として、原告1世帯あたり10万円(合計280万円)の賠償を命じました。

結局、横浜市が上告し、判決は2審の東京高裁にゆだねられましたが、「引き伸ばし」とも思われるような裁判の延期が続き、今年1月になってようやく「条例制定は『処分』に当たらない」として、民営化取り消し請求を却下し、さらには一審で認められた賠償請求も棄却するという逆転判決を言い渡しました。

行政訴訟なので、子どもが「卒園」してしまうと訴えを起こすことすらできなくなってしまいます。この二審の逆転判決が出された当時、原告の子どもたちの中で最年少だった子たちでさえ、すでに年長クラスになっていました。判決が下った1月から卒園まではわずか2か月! しかし、原告団はあきらめず、上告することを決意。全員が卒園してしまったこの11月になってようやく最高裁の判決が下りたわけです。

では、その最高裁の判決の内容を見ていきましょう。