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保護者も子どもも無視!保育制度改革とは(3ページ目)

保育制度改革でまた新たな動きがありました。2月24日、社会保障審議会少子化対策特別部会において、昨年来、提案されてきたこの保育制度改革の「第1次報告案」に若干の修正が加えられた後、了承されたのです。

猪熊 弘子

執筆者:猪熊 弘子

子育てガイド

親の便利は子の不便

保育園
子どもにとっての必要なサービスとは……?
私は常々、「親の便利は子の不便」と言い続けています。親にとっていいこと、親にとって便利なことが、そのまま子どもにとってもいいことにつながるとは限りません。むしろ、逆の方が多いのです。親に対するサービスが、逆に子どもに無理を強いることになったのでは、本来、「児童福祉」が原点である「保育」に立ち返ることはできないのです。

もうひとつ、見逃せないのが、この制度の大前提。実はこの制度改革が、消費税を10%にして、アップ分5%の中から財源を確保して実施するものとされていることも大問題です。アップした分の中からたとえば1%が、必ず、子どものために使われると確約されるのであれば、私もここまで反対はしません。でも、アップした1%は、保育に参入して補助金を得て、それを企業内の赤字部門に補てんしようという企業に流れるとしたら……? 保育制度云々より、私たちの税金の使い道としていいものなのでしょうか?

さまざまな角度から考えて、どうしても納得できない、この保育制度改革。法律が改正されるまでには、まだ少し時間があります。内容を理解すれば「この方がいい」と思う親は滅多にいないはず。小さな学習会などを積み重ねて理解を深め、反対していくことが必要です。
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