前々回の記事『困るのは親!「保育制度改革」って何?』でお伝えした「保育制度改革」について、また新たな動きがありました。2月24日、社会保障審議会少子化対策特別部会において、昨年来、提案されてきたこの保育制度改革の「第1次報告案」に若干の修正が加えられた後、了承されたのです。

この改革案ができ、児童福祉法が改正されてしまうと、市区町村には保育実施義務がなくなります。本当に大変な問題です! この問題について、もう一度、説明しましょう。

要保育認定、直接契約の問題点

子ども
保育園との直接契約になることで、相当の混乱が予想されます
前回、この新しい保育制度は、「直接契約」であることを説明しました。厚生労働省は「公的責任のある公的契約だ」と言っていますが、保護者に園が申し込むわけですから、直接契約にほかなりません。これが直接契約でないとするのは、ただの言葉あそびにすぎないのです。

直接契約になって、どんな問題があるのでしょう? いちばん大きいのは、前回説明したように、保護者が入りたい園を自分の足で尋ね歩いて申請しなければならないという点。保育制度に先駆けて「障害者自立支援法」によって制度改革が実施された「障害者」の分野でも、同じ事が起きているそうです。障害者施設のリストを手に、お母さんがひとつずつ自分の子どもの状態を全て説明し、断わられるとまた別のところに一から説明をする……ということが当たり前になっているのだそう。保育園でもそうなったら……?と考えると、入園希望者の数も半端でなく多いだけに、相当な混乱が予想されます。

直接契約になると、入園する親を選ぶのは「園」になります。そこで、手がかかりそうな子、保育料が払えないかもしれない子などは、敬遠される可能性も出てきます。もちろん、新制度では保育が必要な子どもの入園を依頼した場合に、園はそれに応じる義務がある(応諾義務)としていますが、市区町村に保育の実施義務がない状態になっているというのに、園が市区町村の言う事をすんなり聞くかどうかは疑問です。

また、今のプランでは、「要保育度」の認定は勤務時間+通勤時間×週5日が基本。給食費なども含まれていないのだとか。つまり、土曜日にお仕事がある人や、延長保育をする人、さらには給食費についても、すべてオプションとして保護者の自己負担になります。「オーガニックの素材を使った手作り給食」なんていう触れ込みの給食を出すところは、それなりの値段になるはず。また、課外の習い事なども取り入れる園が出てくるかもしれません。そういったオプションで、園ごとにかなりの「格差」が出てくる可能性は大いにあります。