子どもを保育園に預けて働きたいけど、大変そう・・・そんなときに役に立つのが、先輩ママの体験談。24の体験談と、保育園についての基本やお役立ち情報がいっぱいの本ができました。
「預けて働く」道はみんなそれぞれ、100人いれば100通り
「これから保育園!」のママ&パパにおすすめ。 |
しかし、現実の「保育園ママ」の姿は多様です。派遣社員でお仕事を再開した人、非常勤をかけもちしている人、夫の事業を手伝う人…。そして、預け先も様々。認可外保育園からスタートした人、勤務する大学や病院の保育所を利用する人、幼稚園の預かり保育など、皆いろいろな方法を試行錯誤しながら乗り切ってるのです。
先頃出版された、白石真澄氏監修の『保育園ママのおたすけガイド』ではそうした保育園ママの体験談が24紹介されています。これらから言えるのは、「仕事が続けられる条件が全て整っているという人は多くない」ということです。
もちろん、職場に理解があり実家の助けを受けることのできる人もいます。が、そうではない人も多い。そういう人たちは、「これでいいんだろうか…」と迷いながら、ひとつずつ決断を重ねているのです。
「子どもを持つ母親の働き方」「子どもにとってよりよい居場所」というのは答えが1つではありません。こうした体験談からは「自分は自分のやり方を探せばいいんだ」というメッセージが伝わってきます。
周囲の手を上手に借りて
この本を監修した白石真澄氏ご自身も2児の母。「まえがき」「あとがき」でこんなふうに語ります。「当時を振り返れば、私は周囲の人たちの力を借りてきたからこそ、仕事を続けてこられたのだと思います。」「私も後輩ママに“周囲に応援団をつくって、子育てを乗り切って”と声援を送っています。」 ※ 『保育園ママのおたすけガイド』より引用
ワーキングウーマンの先輩である白石氏の「保育園ママ時代」は、急な残業や出張も多い勤務状況でした。
あるとき、「夕方、手が空いていて子どもをみてくれる人って誰だろう?」と考えてみたところ、「夜勤のあるタクシー会社の奥さんなら、きっと外出可能に違いない」と「突拍子もない勝手な思いつき(ご本人曰く)」でタウンページをめくり、個人タクシーの「あ」の欄から順番に電話をかけ始めました。
最初の方には断られましたが、2人目の方には「私でよければ」という信じられない答えをいただきました。その「Aさん」には子どもが保育園を卒園するまでの間、お世話になったそうです。
「子育てと仕事を両立するための応援団」は、ただ待っていてもやってきません。自分から「困っているんです。お願いします。」と周囲に声をかけていくことで、だんだんに環境ができていくのではないでしょうか。
また、白石氏は「子育てに費やす十数年は長いようで人生の中のわずかな期間です」とも言います。
「わが家の子どもたちがまだ幼かったころ、先輩ママがおしなべて、“このころが一番、母親として充実しているのよ”と言いました。私自身は“子育てが終わったから、そんなことが言えるのよ”とやや冷ややかな思いで受け止めていましたが、大変な時期はあっという間に過ぎてしまいました。」 ※ 『保育園ママのおたすけガイド』より引用
渦中にいると確かに、こうした先輩の言葉に「やや冷ややかな思い」を感じてしまいがちです。でも、「その先」は長く、まだまだこれからいろんなことができる。そうしたイメージを日々どれだけ持つことができるか、がうまく乗り切るコツのような気がします。
現役保育園ママたちが作った本・『保育園ママのおたすけガイド』
この『保育園ママのおたすけガイド』は体験談のほかに、保育園についての基礎知識や、保育園以外の「子どもの預け先」「子どもがかかりやすい病気」についての情報もあります(その中の一部は、私・ガイド吉森が執筆・編集協力いたしました)。体験談で実生活のイメージをつかみ、具体的なノウハウは本の後半で、という構成になっています。実はこの本は、発行している出版社に勤務しながら子どもを育てている現役保育園ママたちの、お昼休みの雑談から生まれた企画なのです。「私たちが本当に知りたかったことが分かる本を作りたい」という視点で構成されているので、「これから保育園入園を考えている」という方にはちょうどよいはず。
身近に「預けて働く先輩」がいない方へこそ、こうした本が参考になれば、と願っています。
■参考文献
白石真澄 監修 『保育園ママのおたすけガイド』2005年 法研
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