河口の海水と淡水が混ざり合う領域のことを汽水域と呼び、栄養分が豊富なことから多くの生物が集まってきます。そこに生息する魚たちは汽水魚と呼ばれ、観賞魚としても多くの種類が飼育されています。

汽水魚とは、特定のグループを指す訳ではなく、汽水域という同じ環境に生息する魚全般を指しています。その中でも色彩的な妙であったり、生態が興味深いものなどが、観賞魚として親しまれています。

河口域には、様々なライフスタイルを持つ魚が生息しています。海に生息している魚が、または淡水域に生息している魚が、一時的に汽水域に進入してきたもの。常に汽水域に生息しているもの。厳密には、更に多彩です。

ポポンデッタ・フルカタ
ポポンデッタフルカタ
パプアニューギニアの淡水域に分布する。レインボーフィッシュの仲間の飼育には、塩分は必要ない。
その他にも、海産起源の二次淡水魚と呼ばれる魚たちも、汽水魚と一緒のくくりで語られることがあります。レインボーフィッシュの仲間などがそうなのですが、先祖が海に生息していて、古い時代に淡水域に侵入した魚になります。どことなく海水魚に近い面持ちですが純粋な淡水魚で、塩分を必要としない種類が大半です。


汽水魚の仲間


ミドリフグ
ミドリフグ
汽水魚の中でも、観賞魚として代表的な熱帯魚。その飼育には塩分を必要とし、淡水では体が黒ずみ調子を崩してしまう。
観賞魚店に行くと、白いサンゴ砂が敷かれた水槽が数本まとめられ、そこでまとめて管理されていることが多いかと思います。河口域ではお馴染みのハゼやフグの仲間や、小型のヒラメやカレイの仲間、幼魚期に汽水域に進入する海水魚の幼魚など、様々な魚がいます。

中でも群を抜いて人気なのがミドリフグ。黄緑色の地肌に水玉模様が可愛らしく、特に女性に人気があります。海水、もしくはその半分程度の塩分濃度を好み、単独での飼育が基本になります。


その他にも、沢山の種類を熱帯魚オンライン図鑑で紹介しています。

→ 熱帯魚オンライン図鑑:汽水魚・その他

水槽のサイズ


魚のサイズに合わせて水槽サイズを選択すれば良いのですが、汽水から海水での管理になるため、ゆとりを持った水量で管理したいものです。淡水と違い、ろ過バクテリアが発生しづらく、また有毒なアンモニウムイオンが発生しやすいため、飼育数に対して水量があったほうが管理をしやすいです。


適したフィルター


外部式フィルター
海水魚の飼育同様に、できるだけろ過能力の高いフィルターの使用が良い結果を招く。
前述の理由から、ろ過能力が高いフィルターが適しています。また二つ以上のフィルターを組み合わせるのも良い方法、上部式フィルター、外部式フィルター、底面フィルターなどのろ過能力の高いものを併用することで、更に安心できます。

海水魚の飼育に用いる、水に溶け込んでいる汚れを取り除くプロテインスキマーや、飼育水を殺菌する紫外線殺菌等の利用も、良い結果につながります。


汽水魚が好む水


サンゴ砂
サンゴ砕けて砂利状になったもの。カルシウム分が溶け出し、飼育水を弱アルカリ性の硬水にしてくれる。
観賞魚店では、販売時の管理の簡便化から、サンゴ砂を敷いただけの淡水で管理されることが多いのですが、ある程度の塩分濃度が無いと状態が悪いものがほとんどです。中には海水での飼育の方が、ベストな状態であるものも少なくありません。

底砂やろ材にサンゴ砂を用いることで、汽水魚が好む弱アルカリ性の硬水にしてくれます。あとは種類によって好む塩分濃度に、市販の人工海水を用いて調整します。ほとんどの種類が海水の1/4~1/2程度の濃度に調整してやればOKです。

塩分濃度の違い以外、海水魚の飼育と基本的に同じなのですが、汽水域に生息する魚の方が水の汚れへの耐性が強い種が多いことが特徴です。


汽水魚の餌


クリル
クリル
南極オキアミをフリーズドライした飼料で、臭いが強いことから嗜好性が高い。どんな魚でも食べてくれるが、人工飼料に餌付きづらい魚種には特に便利。ただし栄養価の偏りがあるため、あくまでも補助食として与える。
主に動物性の餌を好みます。冷凍赤虫やクリルなどを中心に、肉食魚用の人工飼料や種類によっては昆虫、小魚などを与えます。人工飼料を好まない種類が多いことから、一般的な熱帯魚に比べて手間がかかります。


どんな魚と混泳可能?


例えば、フグの仲間は同種他種問わず、相手をかじってしまうので単独飼育が基本です。またハゼの仲間は、テリトリー意識が強いものが多く混泳が難しかったりします。魚食性の種も多く、一概に混泳について述べることは難しいため、個別によく調べた上で混泳させてください。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。