カンブリア宮殿は優良企業の宝庫?
カンブリア宮殿というテレビ番組をご存知でしょうか?毎回躍進する企業の社長が取り上げられ、躍進の秘密について解説する番組です。テレビ放送をきっかけに知名度を高め一気に飛躍するベンチャー企業や中堅企業もあり、そのためテレビに取り上げられた企業の株価は上がりやすいと言われています。そこで今回は、カンブリア宮殿に取り上げられた企業の株価が、番組放送後どのように動いたかについて検証を行いました。
カンブリア宮殿で取り上げられた銘柄は?
カンブリア宮殿で取り上げられた銘柄はトヨタ自動車やソニーなど日本を代表する企業やユニクロでおなじみのファーストリテイリング、ぐるなび、グリー、ミクシィなど社歴の比較的浅い企業など2006年以降64銘柄取り上げられています。今回はテレビ放送の効果について検証を行うためそのなかからいくつかの企業をピックアップして検証を行いました。検証の条件は以下のとおりです。【買いルール】
テレビ放送後の翌日、寄付き成行注文で買い
【売りルール】
90日経過後の翌日に成行注文で売り
【資金配分】
1銘柄あたり100万円に金額を固定して投資を行う
ぐるなび(2440)の検証結果
放送翌日から5日目で株価は約11%上昇し、その後下落、90日後にはほぼ放送前の水準に株価は戻りました。ちなみに放送翌日から5日間の日経平均は9.5%の上昇、90日間の日経平均は約10%の上昇でした。株式市場の上昇局面での放送だったため、放送直後に株価は上昇したものの、その後は株式市場全体よりも弱含みに推移したと言えるでしょう。
楽天(4755)の検証結果
次に07年12月に放送された楽天(4755)の検証結果です。2007年のサブプライムローン問題により株式市場全体が下落するなかでの放映でした。そのため株価は大きく下落し08年1月16日には含み損は約28%となりました。その後株価は回復し90日間で約8.6%下落しました。ちなみに放送翌日から90日間の日経平均は約22%の下落でした。日経平均の下落幅に比べると下落幅は小さいので相対的には堅調だったと言えるでしょう。
セーレン(3569)の検証結果
セーレンの場合、放送開始前の株価と比べ4日目に約7%まで上昇しました。その間の日経平均は約4.7%の上昇でしたのでテレビ放送による効果が多少あった可能性が高いです。ただその後株価は下落し株式市場全体の騰落率を下回っています。
テレビ放送による効果は一時的
企業の株価はもちろんテレビに放送されたかどうかだけで決まるわけではありません。そのときのニュースや株式市場全体の動向にも左右されます。ただカンブリア宮殿のような番組に取り上げられること自体は放送を通じ、その企業や経営者をよく知ってもらう良い機会にはなります。
長期的には知名度の向上により個人株主の増加や消費者の増加につながる可能性もあります。しかしながら放映による株価自体の上昇は一時的で、特に4~5日程度でテレビ放映の影響は薄れる傾向にあるでしょう。
ちなみに、次回7月19日の放送はソフトバンクの孫正義氏です。今回は二週続けての放送ですのでこれまでとパターンは違いますが、今回、株価はどのように動くか注目してみましょう。
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