トップ校に人気集中。緩和しない競争倍率
総合選抜も決して楽ではありません。他府県ではたいてい1~1.2倍程度が、京都では1.5~1.7倍あたりで、上位人気校はさらに高い倍率になります。昨年2008年の数値では、倍率が1倍を超えたのは18校。最も倍率が高いものでは嵯峨野4.56倍、続いて堀川4.25倍、洛東3.04倍が目を引きます。各学区のトップ校に人気が集中して、事実上競争の緩和はなされていません。
大学受験に強いトップ校は、しばしばマスコミにも取り上げられ知名度があがってゆきます。ガイドは堀川高校から東大へ合格した生徒を教えた経験があり、本人が堀川を選んだ理由を聞いてみると、「大学合格実績」と「校舎北館と南館に間する最上階までのガラスの吹き抜けをテレビ放映で観て、オシャレと思ったから」でした。
堀川高校は1999年に府下全域から志望できる「探究科」を設け、新築校舎であること、共学であることをアピールし、洛南、洛星(いずれも男子校)、京都女子を避けた偏差値の高い生徒を見事に集めました。こうして飛躍的に優秀な生徒を集め、国公立合格実績を伸ばし、マスコミに取り上げられ知名度が急上昇。今後も人気が衰える気配はありません。
個性が目を引く学校(学科)はすべて高倍率。倍率が最も高いのは、桃山の自然科学科6.05倍。山城の文理総合科が5.10倍、そして嵯峨野の京都こすもす科人文社会系統、国際文化系統の5.02倍などが上位です。特に嵯峨野(京都こすもす)は、府内全高校のうちでも偏差値上位に入り込み、ハードルが高くなっています。
一方、推薦募集定員に満たない科もあり、府北部職業系学科など7校、さらに峰山弥栄分校は3年連続で志願者がありませんでした。
※数値は「京都府教育委員会ホームページ」より