将来の家族計画に支障がないか可能な範囲で検討する
子どもを複数もうけたいと考えているご夫婦の場合は、子どもが増えたときにチャイルドシートの配置をどのようにするか考えておくことをおすすめします。子どもを乗せるとチャイルドシートのためのスペースにプラスしておむつ替えなどのお世話スペースが欲しいものです。
■おすすめは中央のウォークスルー
仮に2~3人の子どもを計画していて、お出かけも満喫したい場合にお勧めなのは、3列シートのキャビンの広めのワゴンで、1列目2列目の中央にウォークスルーがある車です。広めのワゴンだと、3列目のシートもしっかり作りこまれているのでチャイルドシートの適合に不都合が生じにくいです。
また中央がウォークスルーの車両は、座席の左右席の造りに余裕があるのでチャイルドシートがきちんと取り付けできます。子どもが増えると子どもの乗せられない前席に夫婦が座るシーンも出てきますから、1列目から3列目までウォークスルーがあるものが便利です。
■コンパクトカーの座席は小さすぎることも
車に座席数はたくさんあっても、チャイルドシートを取り付けできる位置は適合条件などから一部に限られます。3列シートでも2列目の片側は乗降のためのスペースとして残すとしたら、運転席後ろ側の1席が候補となります。3列目の座席が簡易なものでチャイルドシートの適合が不可だった場合、座席は沢山あっても、チャイルドシートが1つしか満足に取り付けできない例もありうるので、コンパクトカーの場合はよく調べてから購入しましょう。
■ベッドタイプは2人分の場所を取ります
ベッド型チャイルドシートもとても人気ですが、ベッドスタイルで使用するときには2人分のスペースをふさいでしまうのが難点です。2人目が出来たときに、座席2人分をとるベッド型チャイルドシートは、二つ目のチャイルドシートの取り付け位置が確保できずに困ることがあります。というのも、ベッド型チャイルドシートを寝かせた状態で取り付けると、となりの席に別のチャイルドシートを取り付けるスペースが残らないこと、3列シートのワゴンの2列目に取り付けると、3列目に乗降するためのシートスライドが出来なくなったり、通路をふさいでしまったりするからです。
3列目にベッド型チャイルドシートが取り付けできる大型のワゴンならなんとかなりそうですが、3列目はドアがないことからベッドへの赤ちゃんの乗せ降ろしが厄介になる可能性があります(手向きが逆さになるため)。子どもが一人の時には便利なベッド型も、2人目以降は少々使い勝手が悪いかもしれませんのでご注意ください。ベビーシートやイス型のチャイルドシートは座席一つ分のスペースでまかなえるので、複数のチャイルドシートを取り付けしなければならなくなったときに融通がききます。
ライフスタイルに合っているか確認する
乳児期のカーシートには、キャリーとして子どもを乗せたまま移動するベビーシートの類と、座席に固定して子どもだけ載せ降ろしする乳児幼児兼用のチャイルドシートと大きく二つに分かれます。前者のベビーシートについては、ベビーカーにドッキングさせて使用できるタイプのものがあり、通称トラベルシステムといいます。
トラベルシステムは、ベビーシートに乗って眠ってしまった赤ちゃんを起こすことなく車から家へ、車からベビーカーへと移動できる点でとても便利でおでかけの多い人には特におすすめです。デメリットとしては、使用の都度、ベビーシートの車への取り付け作業が必要ですので面倒と感じる方もあります。いろいろな道具を使いこなすことに喜びを感じられるタイプの方にはうってつけです。
その他、車が複数あってたびたび乗せ換える必要がある場合、軽量で取り付け方法がシンプル簡単なものがお薦めですが、付け替え作業が辛くなるほど頻繁な場合は、車それぞれにチャイルドシートを購入して備え付けた方が当然手間がかかりません。安いものを複数購入してそれぞれに取り付けるケースと、頻度の高い車に品質の高いシートを取り付け、サブの車には予算を抑えたものを取り付けるのが得策な場合もあるでしょう。
実家の車が絡む場合の例ですが、自宅の車にはベビーシート・チャイルドシート・ジュニアシートと3段構えの「チャイルドシートの王道」的な品ぞろえをしても、たまに乗る実家の車用には兼用タイプの安価でロングユースのチャイルドシートですませてしまうというのもよくある例です。
このようにそれぞれ生活様式が異なりますので、自分たち家族のスタイルにあった製品選びというのができるとよりよいですね。
安全基準の新しいものに適合しているか
(2012年6月までの場合)
日本のチャイルドシートの安全基準にヨーロッパの安全基準ECE/04が採用されました。2012年7月1日の完全施行日までは猶予期間で、旧基準の認定品と新基準の認定品が市場で混ざった状態が続きます。
できれば、新しい安全基準に適合したものの方が長く安心して子どもをゆだねられるでしょう。『チャイルドシートの新安全基準』記事で詳しくご説明します。