受験者「減」で見える金融不況の影響
18歳人口の減少と2008年に始まった金融不況の影響は、私立大入試に大きな影響を及ぼしている。以下で2010年度受験者数の動向を見てみよう。教育関係者の間では、併願校の数は例年通りではないかという声もあったが、家計の圧迫を考えて出願校は絞られているようだ。
- 早稲田大 115,515人(-5,651人)
- 慶應義塾大 48,260 人 (-1,629人)
- 上智大 23,874人(-355人)
- ICU 2987人(+1122人)
早稲田大は2009まで数年志願者数日本一を更新していたが、受験動向に書いたように2010年受験者総数第1位を明治大学に明け渡した。早稲田大のような拡大路線(受験生をできるだけ集めて大学運営資金を捻出)は、かげりが見えているのではないだろうか。全国でこのような似た現象が見られている。
一方、上智大の減少は微々たるもので、ICUはこの2年間増加している。これはどういったことを意味するのだろうか。受験生がブランド力だけではなく、質の点からも大学を選択し始めたことを意味するのではないだろうか。200人、300人の大教室で授業を受けるより、もっと教授との距離の近い、中身のある選択を選んでいると思われる。
「ブランド力=就職力」という図式が不況で崩れてしまうと、本当に勉強したいものを勉強する、自分にあったライフスタイルを考える視点が生まれてくるのかもしれない。貴重な4年間と高い学費を払うに値する大学を慎重に選んでほしい。
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