新BDZの画質はどう変わったのか?
ソニーのブルーレイレコーダーBDZが、そのラインアップを大きくリニューアルして再構築しました。今回はその新しいスタートを切った新BDZシリーズが目指すものと、その進化したBDZの新機能、画質、音質などについてソニー品川テクノロジーセンターにお伺いして取材しました。今回はそのなかで画質部分の話をお送りします(第1回目はこちら)。今回、お話をうかがったのは以下の4名の方です。
- ホームシアターAVマーケティング部 ホームビデオMK課 統括課長 北野真也さん
- オーディオ・ビデオ事業本部 統合商品企画MK部門 ホームエンタテイメント企画部 企画1課プロダクトマネージャ三浦愛さん
- ホームエンタテイメント事業本部 ホームシステム開発部門 システム設計3部3課 システムデベロップメントマネージャー濱田敏道さん
- コンスーマープロダクツ&デバイスグループ ホームエンタテイメント事業本部 第2事業部2部1課 桑原邦和さん
録画、再生で進化した画質
濱田:今回の画質の進化には「記録(録画)」系と「再生」系があります。さらにEX200ではHDMI独立出力というマニアックな機能も搭載しています。
今回は長時間録画が8倍になったのですが、この8倍録画はトータルで画質の進化があってこそ、それなりの画質で8倍録画が可能になったと言えます。
記録系の進化の1つはジャンル別エンコーディング、EPGのジャンル情報の大ジャンルを見て、そのジャンルに応じて、エンコードのパラメータを変えています。
たとえば、アニメの場合など、独特の絵作りがあります。たとえば、輪郭線と平坦な部分がかなりはっきりしています。この輪郭線の部分にノイズが出ないように高周波を守って(ビットレートを上げて)、平坦な部分ではビットを落とすような形で、絵のパートによってパラメータを変えて、チューニングしています。
従来は全画面に対して、ある程度、画質を保つようにしていましたが、ジャンル分けすることで、それぞれのジャンルの特性に特化したチューニングをして画質を向上させることができました。
さらにVBRの部分もかなり進化しており、ビットレートの変化の幅を大きくしました。これによって、8倍でもかなり見られる映像を実現しています。
状況に応じてビットレートを変えるわけですが、ビットレートに応じても、チューニングしてエンコードの仕方を変えています。低ビットレートでの画質が話題になりやすいですが、今回は高いビットレートも専用にチューンして進化しています。
もともと高いレートなので劣化は少ないのですが、映像のランダムノイズをあえて残し、より自然な映像にすることで、ディテールの表現力を上げています。
次は再生系の話です。前のモデルから「CREAS」という高画質回路を搭載していましたが、今回はCREAS2ということで、そのコンセプトはそのままに高画質チューンしたり、このLSIの使い切れなかった部分を使っています。そして、さらにEX200に関しては新しい回路を追加して、CREAS2PLUSとなっています。
新BDZではCREAS機能がCREAS2に進化した。写真はBDZ-RX50。