株価面では付加価値重視型企業優位
株価面ではソニーを除いて付加価値重視型企業の株価のほうが値下がり率は少ない結果となりました。00年3月から03年4月にかけて日経平均株価は63%の大幅下落となるものの、その他の業種については価格訴求型企業よりも付加価値重視型企業の株価の方が概ね株価は堅調だったと言えます。要因としては事業内容だけでなく、PER等の株価指標の高低や企業規模が比較的小さくマクロ経済の要因を受けにくい企業が含まれている場合もありますが、付加価値重視型企業のほうが価格訴求型企業よりも資金力があって経営体力があるとも言えるため、資産価値が評価され株価の値下がり率が低かったのではないでしょうか。業績面では資生堂、野村證券がファンケル、コスモ証券を上回っていますが、一概に付加価値重視型企業が優位とは言えない状況となっています。付加価値重視型企業とは言え、売上高全体に占める富裕層向けサービスの割合がさほど高くないためではないかと思います。また景気悪化局面においては、株価や不動産などの資産価格の下落や外資系企業の撤退などによる高所得者の減少など富裕層そのものの数が減少することも要因として考えられるでしょう。