初心者でもわかる「日経平均」と「TOPIX」
あなたが投資家であれば、「日経平均株価」や「TOPIX」といった指標を、一度は見たことがあるでしょう。いずれも日本株の動向を示す、重要なベンチマークとして有名です。新聞などでも確認できるので、覚えはあるかと思います。しかし、それぞれの意味や違い、活用の仕方など、詳しい違いを知っているでしょうか。「日経平均株価」と「TOPIX」の使い分け方を知っておくと、「いまどんな銘柄がにぎわっているのか」「何が物色されているのか」など、おおまかな感覚を、短時間でつかめるようになります。そこで今回は、「日経平均株価」と「TOPIX」の成り立ちや、違いについて詳しく解説します。
また、あまり知られてはいませんが、「NT倍率」という指標についても、合わせて解説します。大よその市況を把握するためにも、使いやすい指標です。あわせて使い方を覚えておきましょう。
「日経平均株価」とは?
「日経平均株価」とは、東証一部に上場する企業から選ばれた225銘柄の株価を単純平均したものを指します。「日経平均」や「日経225(ニーニーゴ)」などの略称が使われています。225銘柄には、東証一部の6セクター、36業種から、業績の良い企業が選ばれます。毎年10月初めに銘柄の入れ替えが行われています。また、倒産や上場廃止、第二部への指定替えなどがあった場合は、臨時で銘柄の入れ替えが行われています。
日経平均株価は、36業種の幅広い業種から銘柄が選別されており、幅広い業種の概況を反映しているのが特徴です。よって、市場の概況を知りたいときには、使いやすい指標だと言えるでしょう。
ただし、欠点もあります。それは、外需関連株が変動するだけで指数が大きく動いてしまうという点です。日経平均株価は、構成銘柄の中で大きなウェートを占める、海外の景気や為替変動に左右されやすい「ハイテク関連株」や「輸出関連株」によって変動しやすい傾向があります。よって、内需株の動向を詳しく知りたい場合には、使いづらいかもしれません。
このような特徴から、日経平均株価は「外需関連株の動きを知るのに適している」と言えます。次は、TOPIXについて見てみましょう。
TOPIXとは?
「TOPIX(トピックス、東証株価指数)」とは、Tokyo Stock Price Indexを略したものです。225銘柄だけを反映する日経平均株価と違い、TOPIXでは、東証一部に上場するほぼすべての銘柄(約2000銘柄、18年2月1日時点)を反映しています。また、算出方法も、日経平均での「単純平均」とは違い、「加重平均」で算出されます。つまり、単純に株価を足し合わせるのではなく、時価総額を足し合わせることで算出しています。TOPIXは、全銘柄を対象としており、かつ時価総額をベースとして算出されていることから、日経平均株価よりも、「正確に日本株市場の動きを反映している」と考えられます。しかし、TOPIXにも欠点があります。それは、「内需株の動きに左右されやすい」という点です。TOPIXは東証一部銘柄の時価総額によって算出されます。よって、銀行株や証券株など時価総額の大きい内需関連株の影響を受けやすい傾向があります。このような特徴から、TOPIXは外需株の動向を把握するには、不向きだと言えるでしょう。その代わり、内需株の動きを知るには、適した指標だと考えられます。
以上が、「日経平均株価」と「TOPIX」の概要です。いずれも算出方法が違うため、違った使い方が向いているとおわかりいただけたでしょうか。ここまでの話をまとめました。以下の表をご覧ください。
どちらも、一方だけを使うと見方に偏りが出てしまいます。しかし、両方を同時に使うと、外需株や内需株の動向を、両方ともつかむことができます。よって、片方だけでなく、両方を使い分けて、市場の動向を知るのが良いでしょう。
ここで補足として、「NT倍率」という指標をご紹介します。この指標の使い方を知っておくことで、「日経平均」や「TOPIX」を使って、さらに高度な分析ができるようになります。せっかくの機会ですので、覚えておきましょう。
NT倍率とは?
「NT倍率」とは日経平均株価をTOPIXで割った数値です。計算式は、以下の通りです。NT倍率 = 日経平均株価 ÷ TOPIX
「NT倍率」が上昇していると、「日経平均株価の上昇率>TOPIXの上昇率」と読むことができます。つまり、内需株よりも、外需株の方が買われていると判断できます。
逆に、「NT倍率」が下落していると、「日経平均株価の上昇率<TOPIXの上昇率」と読むことができます。つまり、外需株よりも、内需株の方が買われていると判断できます。
このように、NT倍率を見ることで、どの業種が強いのか、あるいは弱いのかを判断することができます。