では、いよいよ確定申告の説明に入ります。
「源泉徴収あり」を選択した人はこれだけに注意!
前述したように、特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があります。「源泉徴収あり」は基本的には申告は不要と理解してください。しかし、「源泉徴収あり」を選択した場合でも、申告をしたほうが良い人もいます。年間を通して損をした場合です。年間を通して損をした場合には、確定申告を行って「譲渡損失の繰越控除」の適用を受けるのがいいでしょう。この制度は、翌年以降3年間、利益から当該年度の損失を差し引くことが出来るという制度です。しかし、この特例を受けるには、損失が出た年はもちろん、損失額がなくなるまで毎年確定申告をする必要があります。
上記の例のように、平成16年に生じた損失700万円を翌年に繰越し、200万円の利益を相殺、さらに3年間損失を繰り越すことが出来ます。この特例の適用を受けなかった場合は、毎年200万円の利益が出ているとみなされますから、毎年20万円、合計で60万円の納税をしなければなりませんでした。大きいでしょ。
「源泉徴収なし」を選択した人は利益が出たら申告が必要!
年間を通して利益の出た人は確定申告が必要です。譲渡損益は証券会社が計算して「年間取引報告書(右のようなもの)」を送付してくれます。それを添付して、株式の上と損益の金額を申告書に書き写せば完了です。簡単でしょ。
ちなみに、年間を通じて損をした場合は申告の必要はありませんが、「源泉徴収あり」の場合と同様に損失を翌年以降に繰り越したい方は確定申告をして「譲渡損失の繰越控除」の利用したほうがいいですね。
ね、特定口座を持っているととっても便利でしょ。今から特定口座を開設しても、今年の確定申告には間に合いませんが、来年の確定申告に備えて是非開設してみてください。
次回は、特定口座を持っておらず、今年は一般の口座で確定申告をしなければいけない人のために、一般口座での確定申告の仕方を解説する予定です。
以上、保畑でした。
▼関連リンク
・[All About 確定申告特集]