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【IT御三家を斬る】 巨人・ソフトバンクを暴く!(2ページ目)

IT御三家ソフトバンクについて研究します。御三家といわれますが、楽天、ライブドアと比べるとその体力は雲泥。その真の実力とはいかなるものか?

執筆者:保畑 公志

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投資先としてのソフトバンクは?

さて、ここからが皆さんが一番気になるところですよね。果たして、ソフトバンクの株価は今後上がるのか?

ソフトバンクの株価

最近の業績を見ると、今第3四半期(04/12期)の連結業績は、売上高が前年同期比55.1%増の5,617億円。経常損益はまだ赤字が続いてはいるものの、前年同期の622億円の赤字に対して339億円の赤字でした。売上高が55.1%増という背景には、日本テレコムが新規に連結対象となったことによる820億円が売上高に上乗せされたため。BBなどのブロードバンド・インフラ事業が順調に拡大しています。

「Yahoo! BB」サービスの累積接続回線数はそろそろ500万件に手が届きそうなに477万に達し、IP電話サービスの「BB フォン」も累積回線数が451万まで増加しました。また、2004年7月に約3,400億円で買収した日本テレコムのインターネット接続サービス「ODN」は160万人の会員を有する上、企業向けデータ通信に定評があります。ここも、将来の確固たる収益基盤になりえます。
さらに、10月には日本における国際音声通信市場、国際データ通信市場で第2位の固定通信事業者であるケーブル・アンド・ワイヤレスIDCも買収。ブロードバンド・インフラ事業の収益力強化による安定的利益とキャッシュフローの確保、ブロードバンド・インフラ事業を基盤にグループ企業群のシナジーを活用したコンテンツ力の強化、グループ全体の収益性を着々と高めています。

しかし、ソフトバンクはインターネット事業以外の分野でも好調なんです。

インターネット以外の分野でも展望は明るい!

例えば、今年の4月、ソフトバンク・グループ内で携帯電話事業を営んでいるBBモバイル(株)が、総務省より1.7GHz帯における携帯電話の実験局本免許を取得しました。この免許取得により、ソフトバンクグループが将来的に携帯電話の分野に進出可能になりました。1.7GHz帯での商用化サービスを前提に、W-CDMA方式の各種試験を計画しており、さいたま新都心地域に実験局を開設しデータ通信等の各種試験を順次進めていくようです。
そして、忘れてはならないのがIP電話。ソフトバンクはYahoo!BBを通じて、IP電話事業にも力を入れています。現在、IP電話サービス「BB フォン」においても累積回線数が451万まで増加しています。

じゃあ、リスクは無いの?

ソフトバンクはインターネット、ブロードバンドの域を超えて、磐石な経営基盤を作ることを目的に、公共事業すなわち通信事業に進出しました。その布石として、携帯電話やIP電話があります。ですから、将来的にはその収益基盤の分散が功を奏してリスクが安定的な成長段階に入るのではないかと思います。ですが、現在の株価の推移は、現在の事業の中心的存在であるADSLです。Yahoo!BBを通じてADSL分野では首位を走っているYahoo!BB-ソフトバンクですが、昨今の価格競争でいわゆる薄利多売の状態が続いています。また、NTTの提供するフレッツの勢いも増してきており、ADSL事業の将来性についてはリスクとして残ってしまうでしょう。

しかし、中長期的には「買い」であると思っています。少し思い切った言い方をしますが、ソフトバンクに関してはアメリカのマイクロソフトを買う感覚・・・って言ってもピンと来る人はいないですね(^^;)、公共株を買うくらいの気持ちで構わないと思います。しかし、短期で売買をしたいと思っている方にはおすすめしません。ソフトバンクの事業基盤は磐石なものになりつつありますが、今後も、これまでと同様に多くの買収を続けていくと予想されます。そして多くの失敗がたびたび発生しないとは限りません。ですから、じっくり「公共株」を資産株として持つという気持ちで投資されてはいかがでしょうか。



以上、保畑でした。

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