DS,Wiiと人気続く任天堂
クリスマス商戦の勝者は任天堂? |
一方では、プレイステーション3は生産の遅れが目立ち、当初の10万台、二週目は4万台と出鼻はくじかれ、2007年3月までの当初目標400万台には遠く及ばない可能性が出てきています。
また今やWiiの最大のライバルといっても良い同じ任天堂のDSの販売も前回もお伝えしたとおり、全世界で好調です。まだ国内では売り切れ店続出の状況に変化はありません。PS2(プレイステーション2)やGBA(ゲームボーイアドバンス)などの大ヒット作をしのぐ勢いで売れています。
このように任天堂が強い理由はどこにあるのでしょうか?
その最大の理由はゲーム人口の拡大にあります。脳トレ、英語、料理、ペットなど従来のゲームの枠を超えた商品の提供でゲーム人口が従来からの購入者層だけでなく、未経験層、休眠層と顧客層は大きく拡大していきました。これはDSもWii(ウィー)も据え置き型・携帯型の違いはあるものの同様です。プレステ3(PS3)がゲームマニアを更に満足させて行くことに注力したのとは決定的な大きな違いです。
過去の大ヒットゲームとニンテンドーDSの違い
据え置き型ゲームで最も早いスピードで売上を伸ばしてきたソニーのPS2(プレイステーション2)は、2000年3月の発売から5年9ヶ月で1億台の出荷台数を記録しました。その国内販売台数は1,000万台に到達するのに約2年半かかりました。同じく携帯型ゲーム機では、任天堂のGBA(ゲームボーイアドバンス)がシリーズでは1億台を超える大ヒットを飛ばしていますが、これも国内販売台数が1,000万台に到達するのに約2年半かかりました。
そんな中、任天堂のニンテンドーDSは1年8ヶ月で1,000万台に到達しました。過去、PS2ではドラクエシリーズやFF(ファイナルファンタジー)シリーズ、GBAではマリオシリーズやポケモンシリーズなどの人気作を中心に従来からの支持層、若年層やゲームマニアなどが主な購入者でした。
一方で、ニンテンドーDSでは「ニンテンドッグス(画面上で子犬たちとのコミュニケーションを楽しめる)」や「おいでよ動物の森」で主に女性層を取り込みました。「脳を鍛える大人のDSトレーニング」、「やわらかあたま塾」、「数独(パズルゲームシリーズ)」などの脳トレシリーズでは中高年層などを中心にヒットしました。その他でも「えいご漬け」、「旅の指さし会話帳DSシリーズ(タイ語、中国語、韓国語、英語、ドイツ語の翻訳)」、「しゃべるDSお料理ナビ(200品目以上のレシピや冷蔵庫にある食材名を入力すると作れる料理を検索する機能)」などゲームの枠を超えた商品の提供でゲーム未経験層を開拓したのです。
CMでも女優の松嶋菜々子さんを起用し、その知名度を絶大なものにしてきました。このようなゲーム層の拡大は世界中で起きていることが大きなインパクトとなっているのです。一方従来からのゲーム購入層向けにも多数のソフト(マリオカート、NEWスーパーマリオブラザーズ、テトリスなど多数)を出してきましたので抜かりはありません。
このゲーム層の拡大傾向は、国内だけでなく海外でも同様です。「脳を鍛えるシリーズ」がアメリカで4月17日から、欧州では6月6日から発売され始めたばかりですが好調です。日本国内よりも人気化の傾向も早く、その他の人気シリーズも続々と投入され始めたばかりの段階ですが、すでに日本国内同様に購入者層拡大に拍車がかかってきました。
年齢・性別・ゲーム経験の有無を問わず誰にでも簡単に楽しめるように、というコンセプトは、まずは国内市場で成功を収め今後海外でも急速に進展し、超メガヒット商品となっていくのではないでしょうか。