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【1億人の素朴な疑問】ホリエモンがこだわる 「議決権ベース」って何のこと?(2ページ目)

ホリエモンとフジテレビによるニッポン放送株の奪い合いが連日、ニュースをにぎわせています。そのキーワードとなるのが「議決権ベース」という言葉。これって単なる保有比率とどう違うんでしょうか?

執筆者:大竹 のり子

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株のなかには議決権がないものも!

ホリエモンが会見のたびに言っている「議決権ベースで○%」という言葉。なぜそんなに議決権ベースということを強調する必要があるのでしょうか? 

その理由は、株の中には議決権のないものもあるから。発行済み株式の中に議決権がないものが含まれている場合、実際の保有株数で計算するよりも、議決権ベースで計算したほうが保有比率は高くなるのです。

ニッポン放送株も例外ではありません。例えば、フジテレビは2月8日に、ニッポン放送株の公開買い付け(TOB)で、発行済み株式の36.47%に当たる約1,196万株を確保し、TOBが成立したと発表しました。保有比率が3分の1超となったことで、フジテレビ側は合併などの経営の重要事項に対して株主総会で拒否権が発動できることに。ひとまずはライブドアに対抗できることになったといえるでしょう。

この約1,196万株を議決権ベースで計算すると、39.26%。単なる保有株式数で計算するよりも、なんと3%近くも割合が多くなるのです。「議決権ベース」サマサマです。

2つの違いを生む犯人は「失念株」

株主総会に出席できるのは株主名簿に名前が載っている株主だけ。名実共に株主になるには名義書換を忘れずに!
単なる保有割合と議決権ベースでの保有割合の違いを生んでいる主犯格が、「失念株」。なんだか聞いただけでマヌケな響きの言葉ですね。

失念株は、株を買ったにもかかわらず、名義書換をしなかったことが原因で生まれます。

例えば、株式分割は、株式名簿に名前が載っている株主に対して行われます。株がすでに新しい株主に譲渡されているにもかかわらず、名義書換をしないまま株式分割が行われてしまうと、すでに株を手放してしまった旧株主に分割された株が割り当てられてしまうことに。結果として、議決権が行使されない、宙ぶらりんな株が生まれてしまうのです。まさに文字どおり、「失念」が原因というわけ。

経営権を握るのが目的のホリエモンにとって、肝心なのは単なる保有割合ではなく、「議決権べース」だというのは当然のこと。「議決権ベースで」と毎回、強調する理由はここにあるというわけです。

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